...(註三)とにかく平四郎は腹立ちまぎれに伝吉へ斬りかけたのに違いない...
芥川龍之介 「伝吉の敵打ち」
...今夜のことさぞかしお腹立ちですやろけど...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...腹立ちまぎれの出たらめな思いつきに過ぎないじゃないか...
豊島与志雄 「怒りの虫」
...「それ、お腹立ちだ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殿御腹立ちも尤(もつと)も至極だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...腹立ち紛(まぎ)れに飛出したんでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「私は腹立ち紛(まぎ)れに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...聴く方の腹立ちは火の手が強かった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...おそらく腹立ちまぎれにいったものだろう...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...腹立ちまぎれにドジだの腰ぬけだのと言いましたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...すると、腹立ちまぎれ、危険な考えが、頭をもたげる...
火野葦平 「花と龍」
...お腹立ちなされますな...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...または人知れぬ腹立ちのために...
柳田国男 「山の人生」
...明治四十二年宿屋八番の客人(まらうど)の室(ま)に行き給へ、われに用なき君なりと、いとあらゝかに云ふめるは、この朝日屋の中二階赤ら顔なる宿ぬしの住ふ部屋よりもるゝ声、腹立ちの声...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...彼もまた腹立ちまぎれに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...非難、腹立ち、失望、呶罵(どば)の声など、半日のまに、三塔十六谷の様相は、一変してしまった...
吉川英治 「私本太平記」
...心なきものに、からかわれたと知って、腹立ちまぎれに、そこらの物を、手当り次第に河底へほうりこみ、揚句(あげく)にそれを渡し舟に利用して、両岸の人数が一ツ所へ集まったのは、この夜、なぶり斬りに逢った万吉の悲劇と対比して、お話にならない、一場の笑劇...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...腹立ちまぎれに、「木っ葉どもめ」と、頼朝へ挑んでいる敵の、四、五人を、遠景は大長刀で滅茶苦茶に叩き伏せ、薙(な)ぎとばして、「おッ、お逃げにならなければいけませんッ」と、恐い顔のまま叱咤(しった)した...
吉川英治 「源頼朝」
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