...どうしても叱る事が出来ずに時間が立つてゆくので自分の腑甲斐なさに愛想をつかしながらも...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...後藤氏は腑に落ちた様子がない...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...私の五臓六腑(ろっぷ)を駈けめぐって...
太宰治 「駈込み訴え」
...わたしにはなんとしても腑に落ちないのです...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...余りと云えば腑甲斐(ふがい)ないことだ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...一滴一杯が五臓六腑にしみわたるやうである...
種田山頭火 「其中日記」
...」天才という言葉がすぐには腑に落ちかねて...
豊島与志雄 「変な男」
...要するに鬱金木綿が呑んでいたところの胃の腑の程度ですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...あるものは必ず人の肺腑(はいふ)に入る...
夏目漱石 「虞美人草」
...私にはどうも腑に落ちないことばかりで――」娘は思いの外確(しっか)り者らしく...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一時は臓腑(ぞうふ)まで吐くんじゃないかと思いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...俺にも腑に落ちないことがある」平次は大急ぎで顏を洗つて出かけました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それにしても腑に落ちない事があります...
野村胡堂 「葬送行進曲」
...玄石の肺腑(はいふ)を熊手で掻きむしるようだった...
平林初之輔 「二人の盲人」
...腑甲斐ない奴だな...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...人の肺腑に徹するものではない...
三木清 「語られざる哲学」
...……わ、わしは、御夫婦へも、お縫どのへも余りのことに、いつまでも、この面を上げ得なんだわいっ」畳を打って、膝を、つめ寄せながら、「家祖、忠教(ただのり)、忠政様このかた、まだかつて、おのれのような無恥、腑抜(ふぬ)け、不所存者は、ひとりも出したことのない家だ...
吉川英治 「大岡越前」
...口から臓腑(ぞうふ)を吐くような苦しさだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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