...畳が腐りはしないかと思われるほど常住坐(じょうじゅうすわ)りっきりなその座になおると...
有島武郎 「星座」
...摘まざるままに腐りたる葡萄の実はわが眠(ねむり)目覚むるまへにことごとく地に叩きつけられけむ...
伊東静雄 「詩集夏花」
...彼は血のかたまりの腐りついた指をぶら下げて...
鈴木三重吉 「勇士ウ※[#小書き片仮名ヲ]ルター(実話)」
...腐りたゞれた醜悪なものと思い込もうとするのには...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...きっとここから肉が腐りはじめるでしょうよ...
中里介山 「大菩薩峠」
...すくなからず腐りつつ夜の街をあるいていった...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...家主がケチでトン/\葺(ぶ)きが腐りかけているんだもの...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どうした心の腐りであろうと...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...地上に蠢(うごめ)く一切の衆生は腐り爛(ただ)れたこの屍骸に湧いた蛆虫であろうか...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...きっと根本まで腐りそうなその雨だれの音と...
宮本百合子 「一太と母」
...ゴミのように彼のうちに溜って腐りはじめた...
三好十郎 「恐怖の季節」
...上等の家ではそんな事もありませんが人の悪い西洋料理屋になりますと腐りかかった牛肉の上面(うわかわ)を削(そ)いで中身はビフテキなんぞにして腐った処を崩してルリーの葉を交ぜて悪い匂いを消してキャベツ巻にする事が折々あるそうです...
村井弦斎 「食道楽」
...これ以上どうにもならないといふ墮ち下つた心の腐りかかつた繼續が毎日のやうにつづいた...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...「骨っ腐り――」と根戸川べりまで追っていったあさ子は...
山本周五郎 「青べか物語」
...味噌のことですから腐りはしないでしょうが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...半腐りの縊死体(いしたい)となってブラ下っているのが発見された...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
...古城も岩間で腐りかかり...
横光利一 「欧洲紀行」
...脚が腐りかけてしまったように蹌(よろ)めいた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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