...荒れ果てた草原に牛や馬の骨が乱れ転ってある傍に腐りかかった猫の屍骸が横たわり...
丘浅次郎 「いわゆる自然の美と自然の愛」
...屍臭を放つ腐り船が半(はん)沈みなんだ...
竹内浩三 「泥葬」
...その時、ぼくたちは後衛中隊の最後尾の分隊だったから、岡田の死体は中国人たちが埋めてくれぬ限り、道端で腐り、野良犬や鴉(からす)、蛆(うじ)などに食われていったことであろう...
田中英光 「さようなら」
...唾でさえ口中に腐り悪臭が発しても吐きだすまいとする...
田中英光 「さようなら」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...全く腐りきつて居ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...腐り果てた江戸の風俗を此手で解きほぐし...
野村胡堂 「礫心中」
...父は長い雨で腐り切っていた...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...水疱をはがして見ると赤い水蜜桃に腐りが這入つたやうに真中に心が黒く出来て...
北條民雄 「癩院記録」
...春にこのセリを摘む時分には最早その前年の匐枝は多くは既に腐り去っているから...
牧野富太郎 「植物記」
...こんなにも腐りきってしまっているときでも...
正岡容 「初看板」
...大腐りに腐っていたことを...
正岡容 「我が圓朝研究」
...病院では何でも廉(やす)い玉子玉子と言って直段(ねだん)さえ廉ければ上海玉(しゃんはいたま)でも腐りかかった玉子でも何でもお買いなさると...
村井弦斎 「食道楽」
...竪にすると今お目にかけたカラザという紐(ひも)が黄身の重みで切れますから早く腐ります...
村井弦斎 「食道楽」
...それほどまでに種子は腐りたり(テルトゥリアヌス)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「骨っ腐り――」と根戸川べりまで追っていったあさ子は...
山本周五郎 「青べか物語」
...花の中で腐りかかった黒い菌のように転がっている所が浮んで来る...
横光利一 「花園の思想」
...ジクジクと腐りはじめたような気がしてきた……...
蘭郁二郎 「魔像」
便利!手書き漢字入力検索