...酒場のしたみを頂戴して肥るという徒輩である...
アーヴィング 高垣松雄訳 「驛傳馬車」
...他の肥ることに於いて自らの痩せることを發見する「個體的存在」である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...腹だけ先に肥る筈はないと思つた...
石川啄木 「第十八號室より」
...しかしこの男はもっともっと肥る素質はあると思います...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...「でもこちらへ上りましてからはすつかりのんきにしてゐさせて戴きますから肥るはずでございますけど...
鈴木三重吉 「桑の実」
...年をとる、肥る、焼きがまわる...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...脂肪がたまってぶよぶよと肥るかして...
豊島与志雄 「悪夢」
...英国の貴族たちが食い肥るためという名目を借りれば...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...婦人の労働が盛んで肉体が肥るのと...
中里介山 「大菩薩峠」
...癇で肥る事が出来ないんだよ」姉は肉のない細い腕を捲(まく)って健三の前に出して見せた...
夏目漱石 「道草」
...「あなたは年を取って段々御肥(おふと)りになるようですね」「ええ御蔭さまで身体(からだ)の方はまことに丈夫で御座います」「そりゃ結構です」「その代り身上(しんしょう)の方はただ痩(や)せる一方で」健三には老後になってからこうむくむく肥る人の健康が疑がわれた...
夏目漱石 「道草」
...肥る商人を賤しめたのを...
長谷川時雨 「初かつを」
...ぶくぶくによく肥る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...こんなことをしていると、肥るばかりだ...
久生十蘭 「あなたも私も」
...段々肥ると共にさういふ事が呑気になったらしい...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...都の演芸面トップ四五段抜きで「天高くロッパ肥る」のみだしで...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...私の肥ること考えると些か癪(しゃく)ね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...しかし肥るということは...
山本周五郎 「おばな沢」
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