...併し診察は無造作であつた、聽診器を三四ヶ所胸にあてがつて見た後、瞳を見、眼瞼を見、それから形許りに人工呼吸を試み、注射をした、肛門を見て、死後三十分位を經過して居ると云ふ...
伊藤左千夫 「奈々子」
...なにしろ時価三万五千円のラジウムを肛門に挿(はさ)んだ患者が行方不明になったというのである...
海野十三 「柿色の紙風船」
...そのしばてんの一種のえんこうは水に泳いでいる子供の肛門をぬいた...
田中貢太郎 「鷲」
...ちょうど彼女の肛門(こうもん)が彼の顔の真下にあったので...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...肛門(こうもん)の痛みは気にしていたし...
徳田秋声 「仮装人物」
...瞳孔も肛門も開いてしまっていますから...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...5種類の肛門瘻管...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...耳の穴や肛門までも丁寧に検査してみましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...肛門(こうもん)に油を塗つてあつた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...腫瘍のふぐり玉を切取る技は、ぱれいの術書に見えているが、鎖肛、鎖陰を開切するのと事がちがい、男の大事な個所へ切尖を入れる難儀な術でござるゆえ、手引草だけでは事が運ばなんだも道理であった...
久生十蘭 「玉取物語」
...さっきから馬の肛門のようだと思うて見て居たのだ」というた...
正岡子規 「画」
...而して細い管を肛門に挿込んで...
松本文三郎 「印度の聖人」
...ただ尻に孔あるばかりでは珍しゅうないがこれは兎の肛門の辺(ほとり)に数穴あるを指(さ)したので予の近処の兎狩専門の人に聞くと兎は子を生むとたちまち自分の腹の毛を掻きむしりそれで子を被うと言った...
南方熊楠 「十二支考」
...若い牝鶏の肛門を創に当て...
南方熊楠 「十二支考」
...その肛門に卵を入れ置いたをある女が買ったが...
南方熊楠 「十二支考」
...その子の方は肛門がふさがっていたが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...脱肛(だっこう)だのッて...
吉川英治 「江戸三国志」
...肛門筋が無知覚にひとしく...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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