...利太郎の横恋慕(よこれんぼ)にどの程度の熱意があったか知るべくもないが若年の頃は誰しも年下の女より年増(としま)女の美に憧(あこが)れる恐らく極道の果てのああでもないこうでもないが昂(こう)じたあげく盲目の美女に蠱惑(こわく)を感じたのであろう最初は一時の物好きで手を出したとしても肘鉄砲(ひじでっぽう)を食わされた上に男の眉間まで割られれば随分性悪(しょうわる)な意趣晴らしをしないものでもない...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...ほとんど口もきかずに肘鉄砲(ひじでっぽう)を食わせ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...手きびしい肘鉄砲を喰らって今にも床の上へつんのめりそうになった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...波蘭人には体のいい肘鉄砲を喰はせておいて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...しかし今度は村長の手ごはい肘鉄砲を喰らつて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...あのすばらしい剣術――どこまで考えても不思議な奴――肘鉄砲(ひじでっぽう)をくわされればされるほど...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...食っただけの肘鉄砲とでも云おうか...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...どんな男でもあの肘の黒いトコを見たら肘鉄(ひじてつ)を喰わない中(うち)に失礼しちゃうわ」「断髪だってそうよ...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...あの美少女にズドンと肘鉄砲(ひじでっぽう)を喰わせた……自分の従妹(いとこ)とも許嫁(いいなずけ)とも...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...思いもかけぬ肘鉄砲を一発ズドンと喰わされたのであった...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...お那珂さんからきつい肘鉄砲(ひじでっぽう)をいただいて...
吉川英治 「旗岡巡査」
...めでたく肘鉄砲を食わずに済んだ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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