...彼は肉声で私に話しかけた...
...大きな会議では肉声よりもマイクを使うべきだ...
...テレビ出演者は肉声で語ることが求められる...
...彼女の肉声はとてもきれいだ...
...オンライン授業では肉声の代わりにチャットを使うこともある...
...バスの音(おん)とソプラノの音とが、着かず離れずに縺(もつ)れ合つて、高くなつたり低くなりして漂ふ間を、福富の肉声が、浮いたり沈んだりして泳いでゐる...
石川啄木 「葉書」
...単なる動作や進退の妙というだけのものではなく、衣裳の古雅荘厳さや、肉声、器声の音律や、歴史、伝説、追憶、回想、そういうものが舞う人の妙技と合致して成立つものですが、殊にこの能楽というものは、泣く、笑う、歓喜する、憂い、歎ずる、すべてのことが決して露骨でなく、典雅なうちに沈んだ光沢があり、それが溢れずに緊張するというところに、思い深い、奥床しい感激があるのです...
上村松園 「無表情の表情」
...やがて聞こえてきた博士の肉声!「おお...
海野十三 「海底大陸」
...助手さんの肉声の歌が放送される事もあるが...
太宰治 「パンドラの匣」
...要に取っては若い女の肉声の方がひとしお思い出をそそるのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...音譜(おんぷ)の中には聞き覚えのない肉声が高々と響き出した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...流言飛語という単なる一種の肉声的発音とを一緒にするのは一寸変だが...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...この肉声を聞くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...その艶物語(つやものがたり)を語る口に肉声を帯びていたのは怪しからぬ...
中里介山 「大菩薩峠」
...若干の肉声までも交えながら語り聞かせたくせに...
中里介山 「大菩薩峠」
...一向(いっこう)肉声を聞かせないのです...
夏目漱石 「こころ」
...まづ実の肉声に近い感じをあたへる...
萩原朔太郎 「ラヂオ漫談」
...その肉声も艶美だ...
長谷川時雨 「豊竹呂昇」
...フーラー博士の肉声だ...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...雪江さんが肉声の練習をしているのだ...
二葉亭四迷 「平凡」
...その音調はトテも人間の肉声とは思えないほど嗄(しゃが)れてしまって...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...楽に発し得る肉声を次第に高くしてその一部に最高音……もしくは最高音を指す曲線をあらわし...
夢野久作 「能とは何か」
...やや鼻音を帯びたうるんだ肉声で流れるように読むアンリエットは...
横光利一 「旅愁」
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