...一老梅の側、掛茶屋ありて、茶を賣る...
大町桂月 「町田村の香雪園」
...春琴の繊手(せんしゅ)が佶屈(きっくつ)した老梅の幹をしきりに撫(な)で廻す様子を見るや「ああ梅の樹(き)が羨(うらやま)しい」と一幇間が奇声(きせい)を発したすると今一人の幇間が春琴の前に立ち塞(ふさ)がり「わたい梅の樹だっせ」と道化(どうけ)た恰好(かっこう)をして疎影横斜(そえいおうしゃ)の態(てい)を為(な)したので一同がどっと笑い崩(くず)れた...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...右手には槎(さが)たる老梅の縦横に枝をさしかわしたるがあざやかに映りて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...あの枝ぶりの面白い老梅の樹を...
中里介山 「大菩薩峠」
...おのおのの持ち分の老梅にも何とか名をつけたがったり...
中里介山 「大菩薩峠」
...また次の如き順序の選名――「青煙梅」「蜂蝶梅」「紫芝梅(ししばい)」「微風梅」「斑白梅」「黄老梅」「柳楊梅」「四運梅」「石蜜梅(しゃくみつばい)」「餐露梅(さんろばい)」「幽澗梅(ゆうかんばい)」「銀床梅」「深障梅」それは...
中里介山 「大菩薩峠」
...老梅君と君とは反対の好例として新撰蒙求(しんせんもうぎゅう)に是非入れたいよ」と迷亭君例のごとく長たらしい註釈をつける...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...実を云うと僕と老梅とはそんなに差異はないからな...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...誰だい」「立町老梅君(たちまちろうばいくん)さ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...海鼠(なまこ)の事がかいてある」「老梅は海鼠が好きだったからね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...半農半商風の頑固(ぐわんこ)な建物で、其處から門は直ぐですが、振り返ると建物の後ろの方から、巨大な老梅の、花少なに淺黄色の春の空に蟠(わだか)まる姿が見えるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...白梅屋敷の老梅の根に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...黐(もち)それに泉水ちかく老梅の古木が...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...老梅数株...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...老梅のように痩せて尖(とが)っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その老梅のものではなく...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...老梅などに見る樣に半ばは幹の朽ちてゐるものもあつた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...老梅などに見る様に半ばは幹の朽ちているものもあった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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