...夜は墨染の法衣(ころも)が翼になって...
芥川龍之介 「邪宗門」
...この寺には何(なん)でも司馬江漢(しばかうかん)や小林平八郎(こばやしへいはちらう)の墓の外(ほか)に名高い浦里時次郎(うらざとときじろう)の比翼塚(ひよくづか)も残つてゐたものである...
芥川龍之介 「本所両国」
...昭和十七年の翼賛選挙には立候補したが...
日本経済新聞社 「私の履歴書」
...天保銭の翼も持たぬ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...他日美翼を翻えし日光に逍遙する蛾(ちょう)はかつて地上に匍匐(ほふく)せし見悪(みに)くかりしものなりとは信ずることの難かりしならん...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...静かに薄墨色の翼を拡げていった...
海野十三 「深夜の市長」
...鴈(かり)の腹と翼の裏を描(か)いて居(を)つたといふので名高かつた...
薄田泣菫 「茶話」
...そのガラスに大きな翼の蚊がぶっつかっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...末広がりに双翼をひろげる...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...わたしの翼の光があなた方の家の天井に見えて来るでしょう...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...翼のある馬の背中に乗ったその美しい青年を...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...ブラボウ! と叫ぶが如く翼を拡げて...
牧野信一 「ダニューヴの花嫁」
...翼の音も輕やかな數羽の鳩が放たれた瞬間に堂々たる巨體を...
牧野信一 「緑の軍港」
...千金翼方は千金方と同じく孫思(そんしばく)の撰と称せられてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...死神の翼の下から逃げ惑うて逃げ散るか...
吉川英治 「私本太平記」
...秀吉の温情の翼に抱かれて...
吉川英治 「新書太閤記」
...鶴翼(かくよく)の中心――やや退(さ)がったところの...
吉川英治 「新書太閤記」
...そして尖(とが)った翼の先で地面に筋を引く...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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