...根も葉もない幻想の翫弄物になつて腐り果てる自分ではないか...
有島武郎 「幻想」
...ドコにあっても椿岳の画は粗末に扱われて児供(こども)の翫弄(おもちゃ)となり鼠の巣となって亡びてしまったのがかなり多いだろう...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...伊太利(イタリヤ)「ハウンド」と来たら翫弄犬(おもちやいぬ)と言はれるだけに脊の高さが一尺...
内田魯庵 「犬物語」
...伊太利のやうな美術国だから那様(あん)な細つこい繊麗(きやしや)な翫弄犬を生じたのだらう...
内田魯庵 「犬物語」
...何方(どつち)かといふと却て女の翫弄物(ぐわんろうぶつ)だ子...
内田魯庵 「犬物語」
...女に翫弄(おもちや)にされて女を翫弄にした気でゐるのが俺達には余程浅ましく見える...
内田魯庵 「犬物語」
...お勢のように本田の翫弄(なぶりもの)にならないでかえって本田を翫弄にしたかも知れない...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...美妙斎や紅葉の書斎のゴタクサ書籍を積重ねた中に変梃(へんてこ)な画や翫弄物(おもちゃ)を列(なら)べたと反して...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...二葉亭の家では猫は主人の寵幸(ちょうこう)であって児供が翫弄(おもちゃ)にするのを許さなかった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...笹村はいい加減に翫弄(おもちゃ)にされているように思って...
徳田秋声 「黴」
...「あなたは人を翫弄(おもちゃ)にする気だったんです...
徳田秋声 「黴」
...何か翫弄(おもちや)にされてゐるやうな寂(さび)しさと侮辱とを感じてゐたので...
徳田秋声 「のらもの」
...人(ひと)一人(ひとり)翫弄物(もてあそび)にする譯(わけ)には行(ゆ)くまじ...
樋口一葉 「われから」
...享保以後無学無識の徒に翫弄(がんろう)せらるるに至って雅語ようやく消滅し俗語ますます用いられ...
正岡子規 「俳人蕪村」
...享保(きょうほ)以後無学無識の徒に翫弄(がんろう)せらるるに至(いたっ)て雅語漸く消滅し俗語ますます用ゐられ...
正岡子規 「俳人蕪村」
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