...花粉はその翅に煽(あお)られて...
芥川龍之介 「女」
...十個のコーヒ茶碗と孔雀の翅(はね)の模様の机掛けを用いる密儀である...
江戸川乱歩 「探偵小説の「謎」」
...翅も透明でしかも強く...
高村光太郎 「蝉の美と造型」
...予ハ彼等ノ貪ル羊ノ肉ダノチキンノ手翅(てば)ナドニハ一向食慾ヲ感ジナイノデ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...「金翅鳥(こんじちょう)王剣座」――そいつで切って棄てたのであった...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...夕日が原のむかふに沈んでそのあとにゆらゆらと月がのぼりはじめると花畑の葉にかくれてた小さな蛾が灰白の翅をふるつてちりちりと舞ひあがる...
中勘助 「銀の匙」
...あのように翅の先端が鉤(かぎ)状にとがらず...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...だが今度の相手は眼が早く、敏捷で、翅も強い...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...今のレーレー卿が孔雀の尾や玉虫の翅の光を研究した論文が数年前の英国の雑誌に出ていたことをちょっと思い出した...
中谷宇吉郎 「雑魚図譜」
...魚翅も随分方々で食ってみるが...
古川緑波 「神戸」
...ピンセツトを撮んで翅をそろへ...
牧野信一 「趣味に関して」
...お這入りになる?」花に舞つてゐる蜂の翅の音が聞えるほど...
牧野信一 「滝のある村」
...私の採集は膜翅から直翅に移つてゐたので...
牧野信一 「夜見の巻」
...翅(はね)が張り切りおり...
南方熊楠 「十二支考」
...針もて展翅板(てんしばん)へ留め居る眼前へ鼠群襲い来り...
南方熊楠 「十二支考」
...因って翅(つばさ)を鼓してそれに飛び上り留まる...
南方熊楠 「十二支考」
...翅(はね)を顫慄(せんりつ)させ乍ら雌を呼んでいた...
山本周五郎 「青べか日記」
...整えた翅をただかすかにふるわせてみているだけである...
横光利一 「旅愁」
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