...缺かさず菜料(さいれう)に買つてゐたのである...
芥川龍之介 「羅生門」
...缺點もあるけれど...
宇野浩二 「「鱧の皮 他五篇」解説」
...三藏は博覽會雜記といふ短文を新聞に送る他は別に用事も無いので俳句會には缺かさず列席する...
高濱虚子 「俳諧師」
...私に缺けてゐてただ神のうちに存し得ると私が考へるところのすべての完全性の知覺を有する...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...加へてそれらの金屬は封建制度で流通も圓滑を缺く...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...個人を個人たらしめる・最も普遍的な意味に於ての・功利主義が私には缺けてゐるやうだ...
中島敦 「かめれおん日記」
...學資の缺乏から早く專門に向はなければならぬ事情もあつたのだけれど...
長塚節 「教師」
...過去(くわこ)の苦(くる)しかつた記念(きねん)である其(そ)の缺乏(けつばふ)した米(こめ)や麥(むぎ)を日(ひ)毎(ごと)に消耗(せうまう)して行(ゆ)くのである...
長塚節 「土」
...さて觀念的存在者は、純粹の本質においては、殘る隈なく顯はなるものとして、何ものかがその中に入り來るを拒む隱れたる中心、實在者としての中心、を全く缺く故、それを直接に實在者の位に据ゑることは本來禁じられてゐる事柄である...
波多野精一 「時と永遠」
...鬪爭的精神の缺如の埋め合せにはならぬであろう...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...最も強く輝く月の面(おもて)にもこんな缺點はあるものだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...神かけて私は他人の缺點に嚴(きび)しすぎる必要はない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...この顏には全然缺けてゐるよ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それはもとは四枚續きのものでその一枚が缺けてゐたものを...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...さういふものの缺乏が哲學をむつかしく思はせてゐるのではないか...
三木清 「哲學はやさしくできないか」
...「お互にスツかり缺點(あら)をさらけ出して了(しま)ツたからよ...
三島霜川 「青い顏」
...しかし今日民衆の中に何が一番缺けてゐるか――小説を選ぶ前に考へて見ることは先づこれである...
吉川英治 「折々の記」
...信念を缺いてくる...
吉川英治 「折々の記」
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