...平凡な者を指導すべき使命の自覺を缺く天才があるならば...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...まるで心理的哲學的の洞察を缺いた滅茶苦茶なことを云つてゐる人があることを見た...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...この小説の時期の前年)五月には同志から推されて東京市衆議院議員補缺選擧の候補にも立つた...
石川啄木 「小説「墓場」に現れたる著者木下氏の思想と平民社一派の消息」
...意志の疏通を缺いてゐるのだらうかとも考へられる餘地が出來たからである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...彼らを解放さすべき物質的條件の缺乏のためとによつて...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...コノ出来事ノ記載ガ詳細ヲ缺イテイル...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...そして最初に片耳の缺けていることを確かめてから...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...睡眠不足の為に著しく明晰を缺いて居た私の頭には...
富永太郎 「美しき敵」
...故に諸子を以て經書の缺漏を補ふと云つてあるが...
内藤湖南 「支那古典學の研究法に就きて」
...最後の學問の系統を論じた處も缺けて...
内藤湖南 「支那目録學」
...可能的自己としてそれ自らの中心從つて實在性を缺き...
波多野精一 「時と永遠」
...光線(こうせん)の工合(ぐあひ)が少(すこ)しく惡(わる)いのが缺點(けつてん)ともいへるでせう...
濱田青陵 「博物館」
...我帝室は萬世無缺の全璧にして...
福沢諭吉 「帝室論」
...其肉を用ひ其乳汁を飮み滋養の缺を補ふべき筈なれども...
福澤諭吉 「肉食之説」
...あの小説の唯一の缺點は...
堀辰雄 「ヴェランダにて」
...我々の意識の中にあるこれらの心像を作り出すために缺くことのできぬまことの色ともいふべき普遍(universalia)は眞實に存在するものと考へらるべきではないであらうか...
三木清 「認識論」
...理論鬪爭の缺如こそ...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...細かい洞察と温い同情を缺いてゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
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