...自分が對手の缺點を看過して默つてゐることが...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...性格の内面性(インネルリヒカイト)から來る神祕的な誘惑の缺乏があつた...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...われは眞に有る物の間に有りてこれをわが身に缺(か)く可(べ)からざる物とするに努む...
ポオル・クロオデル Paul Claudel 上田敏訳 「頌歌」
...それに頭がこんなに缺(か)けているじゃないか...
海野十三 「もくねじ」
...といふよりも缺乏は私を純化する...
種田山頭火 「其中日記」
...いつもの金缺で行けさうもない...
種田山頭火 「其中日記」
...彼等は雨が降らうが何が降らうが第一着物がすつかり防水の用意が出來てゐるので雨天には雨天の身裝をして晴天と同じやうに一日も缺かさず運動をする...
近松秋江 「箱根の山々」
...之を用ゐて石片の周縁を撮(つま)み缺(か)きし事も有りしならん既に述べしが如く...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...他の不規則(ふきそく)に高低有(あ)る部(ぶ)は或は缺(か)き或は摩(す)りて全体(ぜんたい)を大なる牡丹餅(ぼたもち)の如き形とし兩面(れうめん)の中央部(ちうわうぶ)には尖端(せんたん)の鋭き石片(せきへん)又は鹿(しか)の角抔(つのなど)を當(あ)て...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...女子部では毎年新入生から二三名宛再試驗の上二年に補缺入學を許可する例になつて居た...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...われを忘れるに事缺いて...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...此議論には著しき缺點あり...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...これは足利時代に於て大に缺乏して居るものである...
原勝郎 「足利時代を論ず」
...それはもとは四枚續きのものでその一枚が缺けてゐたものを...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...そしてこれは彼に想像力が缺けてゐるといふことの證據にほかならない...
三木清 「人生論ノート」
...人形芝居の人形よりも更に遙に人間らしさを缺いたものになり下つてしまふ...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...私の記述の不完全な所や缺落した所や裏のことが或る程度までわかつてもらえると思う...
三好十郎 「肌の匂い」
...その水も一箇所山の間に缺所を求めると...
吉江喬松 「霧の旅」
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