...これらを缺いてはならぬ此の季節どき...
アーヴィング 高垣松雄訳 「驛傳馬車」
...謙遜とは獨立せる人格が自己の缺點を自認することである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...自修の資材を缺いた當時では...
石川三四郎 「浪」
...その何故に重大であるかの眞の意味を理解するだけの智識的準備を缺いてゐた...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...かの女の氣儘も缺點もいやなところも...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...右の誤信とは一見矛盾する樣であるが日本人は支那人を道徳的情操の殆んど全く缺乏した民族であるかの如く考へて居る...
橘樸 「支那を識るの途」
...それが女の作の缺點だと云つた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...もし實際に寒は熱の缺存以外の何物でもないことが眞であるならば...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...そしてそのうちに何らかの缺損あるひは完全性の制限を含む何ものもまつたく我々が把捉しない實體は...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...「缺乏所之儀、此程御談判之上、町人共と夷人直に引合致さざるため日本字値段之脇之蘭字をも認めさせ、右にて不便之事も有之間敷と取計らはせ候處、マタロスの類ひに至り候ては無筆の者有之、是迄の仕來りを以て、居合せ候町人共へ値を承り候得共、言葉を替せ候儀不相成故、終には憤り、手を振り上、又は口などつねり候――」といふやうなわけで、ここにも通詞が至急必要だと下田取締配下の平山謙次郎から川路へ愬へ出た...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...是を以て他の資格に於て缺くる所あるも...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...常に此一事を以て彼れの缺點なりとする所なりされど彼れが下院に於ける演説の敵の皮肉を穿つの警語多きは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...故に諸子を以て經書の缺漏を補ふと云つてあるが...
内藤湖南 「支那古典學の研究法に就きて」
...さればこそそれは個々の現在個々の活動の缺陷を...
波多野精一 「時と永遠」
...しかるに活動においては他者性は自己性と共にそれの成立の缺くべからざる契機をなす...
波多野精一 「時と永遠」
...然るに歴史的認識の缺くべからざる條件であるところの全體を成立せしめるものが現在であるとするとき...
三木清 「歴史哲學」
...この共通の地盤が缺けてゐるところでは人間相互の理解も完全に行はれ得ない...
三木清 「歴史哲學」
...「お互にスツかり缺點(あら)をさらけ出して了(しま)ツたからよ...
三島霜川 「青い顏」
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