...自分の矛盾と缺乏とに對する觀照である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...渠自身の心中の缺陷と同樣...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...近世史の進路を理解する能力が全く缺けてゐたので...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...このレコードの缺片や...
大阪圭吉 「花束の虫」
...9.缺損は私の見積りに依れば約百萬に達するかもしれぬ...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...子供の時彼の父親が「日本は人口が殖えて今に食料品が缺乏するだらう」といふのをきいて...
竹久夢二 「砂がき」
...とかく文學者といふものには科學精神が缺如してゐる...
太宰治 「お伽草紙」
...忍びを使って敵の大将の寝首を缺かせようとなさるのみか...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...東を缺いで居るのは齊が東海に濱した國であるからである...
内藤湖南 「禹貢製作の時代」
...一昨日天皇陛下ラヂオを通じて米穀缺乏の事につき人民に告げらるゝ所ありしと云...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...夏季(かき)の忙(いそが)しいさうして野菜(やさい)の缺乏(けつばふ)した時(とき)には彼等(かれら)の唯一(ゆゐいつ)の副食物(ふくしよくぶつ)が鹽(しほ)を噛(か)むやうな漬物(つけもの)に限(かぎ)られて居(ゐ)るので...
長塚節 「土」
...缺乏・空虚・消滅等すべて無を契機とする事柄の體驗において又それを通じて無は體驗されるのである...
波多野精一 「時と永遠」
...同一缺陷の發露である...
波多野精一 「時と永遠」
...本來主體性を缺く...
波多野精一 「時と永遠」
...いま彼の前にゐるところの少女に缺けてゐるかも知れないのだ...
堀辰雄 「ルウベンスの僞畫」
...先祖代々やつて來て漁夫の生活(くらし)には缺くべからざる娯樂になつてゐる遊び事が何故惡いと思つてゐるやうに...
正宗白鳥 「避病院」
...然るに歴史的認識の缺くべからざる條件であるところの全體を成立せしめるものが現在であるとするとき...
三木清 「歴史哲學」
...我々は一般に何等かの意味で主體=客體――認識論的意味に於て主觀=客觀といはれるのはそのひとつの場合である――なる概念を缺くことが出來ず...
三木清 「歴史哲學」
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