...縷々(るる)とした一条の煙に気がつかなかつた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...新聞社を他へ譲渡(ゆずりわた)すの止むを得ない事情を縷々(るる)と訴えたかなり長い手紙を印刷もせず代筆でもなく一々自筆で認(したた)めて何十通(あるいはそれ以上)も配ったのは大抵じゃなかったろう...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...久野村の稲村与市が涙をもって縷々訴えて...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...正造はそうした鋭い舌端で縷々一時間余にわたって追求したが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...鬼に就いて縷々千萬言を開陳できるのでもあらうが...
太宰治 「お伽草紙」
...縷々(るる)として文学者の境遇と目的とを語り...
田山花袋 「蒲団」
...縷々数千言を費やし...
登張竹風 「美的生活論とニイチエ」
...それから縷々として...
豊島与志雄 「「沈黙」の話」
...縷々として身の上を訴えていた...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...それと共に縷々(るる)として糸を引くような...
中里介山 「大菩薩峠」
...七代まで遡って縷々懇切に述べている...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...彼は低いこえで縷々(るる)と述べはじめた...
本庄陸男 「石狩川」
...まことに思出は縷々として限りがない...
三好達治 「間花集」
...香雲縷々(るゝ)として立迷ふ中より吾をかへりみて...
夢野久作 「白くれない」
...祁山(きざん)の戦況を縷々(るる)と告げて...
吉川英治 「三国志」
...その間には香煙(こうえん)縷々(るる)と焚(た)いて...
吉川英治 「新・水滸伝」
...そして縷々(るる)と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...流転三界中(るてんさんがいちゅう)恩愛不能断(おんないふのうだん)……むらさきの糸がのぼるように、縷々(るる)と、香炉(こうろ)の中から、においが立って、同時に、列座の衆僧の声が朗々と、唱和した...
吉川英治 「親鸞」
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