...ト頭(あたま)から頬(ほゝ)へ縱横(たてよこ)に繃帶(ほうたい)を掛(か)けて居(ゐ)る...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...十六島とは、霞ヶ浦を西にし、浪逆浦を東にし、大利根を南にし、北利根を北にせる、一帶幾萬頃の平地にて、水路縱横に通ず...
大町桂月 「鹿島詣」
...商船や軍艦が縱横無盡に海を駈け廻る...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...分れ目に青みがゝつた白い地が縱横に見える...
高濱虚子 「俳諧師」
...縱横無盡に荒れ狂ふ...
太宰治 「お伽草紙」
...人間としての本性を縱横に發揮することの出來る態度――其處に英雄豪傑の眞面目がある...
田山録弥 「泡鳴氏の『耽溺』」
...たうとうあとにはその大きな轍の縱横につけられた上にザンザン降り頻る雨の佗しく暮れて行くのを見るばかりになつた...
田山花袋 「道綱の母」
...トロースの馬原上を 105縱横無碍にかけり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...トロイア軍の隊列を縱横無碍に追ひまくる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...はては極東「謎の國」「鍵を失くした玉手箱」の國に至る海とを縱横に驅けめぐらねばならなかつた...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...學堂の人物政治家としての學堂は、策略縱横、權變百出、能く一時の利害を制するに於て木堂に及ばず博辯宏辭、議論滔々として竭きざるは沼南に及ばず然れども志氣雄邁、器識超卓、常に眼を大局に注ぎ、區々の小是非を爭はずして、天下の事を以て自ら任ずるの大略あるに至ては、學堂實に一日の長ある如し余は彼れを以て未だ經國の大才なりと認むる能はず、然れども其抱負の偉大にして自信の深きは、薄志弱行の徒累々相依るの今日に於て、亦容易に得易からざるの士なり若し夫れ彼れを粗放の虚才と爲すは、聊か深刻の評たるを免かれず何となれば彼れは平生大言壯語の癖ありと雖も、彼れは其實一個謹愼の天分あり、責任を重んずるの操守あり、事を苟もせざるの眞面目あり、彼れの大言壯語は、、彼れが大舞臺に立て大作爲を試みんとするの英雄的思想より來る彼れは草※に在りと雖も、其志既に臺閣に存すればなり彼れが一たび外務參事官の位置を甘むじたるは、是れ豈彼れの本心ならむや、故に彼は之を棄つること弊履の如く夫れ輕かりき...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...政府を動かし復た之れを一小事件と認むる能はざるに至らしめたり彼は此問題に於て老獪縱横なる後藤伯と爭へり才辯多智なる陸奧伯と爭へり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...即ち書名は古くとも、六國の時に出來たものは、六國の時の作と斷じ、著者の傳が明かでないものは、誰某と時を同じくすると云ひ、大體、時代により思想に精神のあること、家學の繼續により流派の生ずることを、縱横に注意して、目録の下に皆注をしてゐる...
内藤湖南 「支那目録學」
...不順經緯之縱横也...
内藤湖南 「染織に關する文獻の研究」
...川蜷(かはにな)のやうな細い貝が縱横に痕を殘して這ひまはつてゐるのを見て居ると...
野上豐一郎 「桂離宮」
...此方(こつち)の監視の隙を狙つての縱横無盡の活躍で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日本の將棊盤の目は縱横九つあるが...
松本文三郎 「世界に於ける印度」
...人民は又二條のどれにも由らずに縱横に田畠を荒して歩くかも知れないと思ふ...
森鴎外 「假名遣意見」
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