...純次はどことなく締りのない風をして...
有島武郎 「星座」
...」こういって感に堪えないように締りのない眉をあげさげする...
寺田寅彦 「年賀状」
...母親は締りのない口元に笑(え)みを見せて...
徳田秋声 「足迹」
...締りのない口元に皺(しわ)を寄せて笑った...
徳田秋声 「新世帯」
...締りのない口元から...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんとなく締りのない...
中里介山 「大菩薩峠」
...途方もなく締りのない声でゲラゲラゲラと笑い出したものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...家並(いえなみ)が締りのない東京より整って好ましいように見えたり...
夏目漱石 「行人」
...元来人間は締りのないものだから...
夏目漱石 「坑夫」
...すると奥の方が一面に薄明るく――明るくと云うが、締りのない、取り留めのつかない、微(かすか)な灯(ひ)を無理に広い間(ま)へ使って、引っ張り足りないから、せっかくの光が暗闇(くらやみ)に圧倒されて、茫然(ぼうぜん)と濁っている体(てい)であった...
夏目漱石 「坑夫」
...どうせ締りのない家だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...戸締りのない雨戸を鑿でコジ開ける馬鹿もないだらうから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...締りのない廻し戸があるので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...締りのない寝顔が...
林芙美子 「浮雲」
...立唄の頬のこけたが玉に疵久良伎プロテアは鴉猫から思ひ付き久良伎遠くなり近くトリツク腕を見せ同大写し睫毛は筆で描いたやう同活動は戸締りのない家に住み同ダグラスは軽業までの芸も見せ同ダグラスの乗地は柵を飛び越える同岡惚れもピックフォードは罪がなし同さうして活動写真の白熱化して来たそもそもの時代だつた...
正岡容 「大正東京錦絵」
...第四句「戸締りのない家に」云々は...
正岡容 「大正東京錦絵」
...裾が長くて締りのないのは云う迄もない...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...そしてそれ等の空想の緯は霧の如く締りのないものであつた‥‥この霧深い八月といふ月が...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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