...」雪の屋が口を明けて締りのない返事をする...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...締りのない所天(をつと)を放棄してゐるのだらうとは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...ただ締りのない部分だけしか出来ない...
高村光太郎 「回想録」
...どこか顔に締りのない感じのするのが多いものだが...
近松秋江 「黒髪」
...口の利き方にも締りのないこの男が傍にいると...
徳田秋声 「足迹」
...母親は締りのない口元に笑(え)みを見せて...
徳田秋声 「足迹」
...締りのない口元に皺(しわ)を寄せて笑った...
徳田秋声 「新世帯」
...妙に締りのない明けっ放しの所があった...
豊島与志雄 「反抗」
...初め二人の女はこの締りのない戸口をたいへん心配したが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...締りのない口元から...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんとなく締りのない...
中里介山 「大菩薩峠」
...すると奥の方が一面に薄明るく――明るくと云うが、締りのない、取り留めのつかない、微(かすか)な灯(ひ)を無理に広い間(ま)へ使って、引っ張り足りないから、せっかくの光が暗闇(くらやみ)に圧倒されて、茫然(ぼうぜん)と濁っている体(てい)であった...
夏目漱石 「坑夫」
...ごほんと取り締りのない咳(せき)を一つする...
夏目漱石 「野分」
...どうせ締りのない家だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...締りのない廻し戸があるので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……締りのない扉(と)……...
夢野久作 「白菊」
...裾が長くて締りのないのは云う迄もない...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...そしてそれ等の空想の緯は霧の如く締りのないものであつた‥‥この霧深い八月といふ月が...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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