...純次はどことなく締りのない風をして...
有島武郎 「星座」
...」雪の屋が口を明けて締りのない返事をする...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...締りのない所天(をつと)を放棄してゐるのだらうとは...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...大地主さんは実に口に締りのないおしゃべり屋だったから...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...どこか顔に締りのない感じのするのが多いものだが...
近松秋江 「黒髪」
...」こういって感に堪えないように締りのない眉をあげさげする...
寺田寅彦 「年賀状」
...口の利き方にも締りのないこの男が傍にいると...
徳田秋声 「足迹」
...母親は締りのない口元に笑(え)みを見せて...
徳田秋声 「足迹」
...初め二人の女はこの締りのない戸口をたいへん心配したが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...締りのない口付でそれを長々と述べ...
中島敦 「狼疾記」
...家並(いえなみ)が締りのない東京より整って好ましいように見えたり...
夏目漱石 「行人」
...元来人間は締りのないものだから...
夏目漱石 「坑夫」
...ごほんと取り締りのない咳(せき)を一つする...
夏目漱石 「野分」
...どうせ締りのない家だが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...戸締りのない雨戸を鑿でコジ開ける馬鹿もないだらうから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それから庭先に廻つて大鑿で雨戸を一枚コジあけた――締りのない雨戸だから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...立唄の頬のこけたが玉に疵久良伎プロテアは鴉猫から思ひ付き久良伎遠くなり近くトリツク腕を見せ同大写し睫毛は筆で描いたやう同活動は戸締りのない家に住み同ダグラスは軽業までの芸も見せ同ダグラスの乗地は柵を飛び越える同岡惚れもピックフォードは罪がなし同さうして活動写真の白熱化して来たそもそもの時代だつた...
正岡容 「大正東京錦絵」
...そしてそれ等の空想の緯は霧の如く締りのないものであつた‥‥この霧深い八月といふ月が...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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