...アスファルトがぼろぼろに綻びてゐるから...
芥川多加志 「四人」
...嫂の隣に腰かけて小さい姪(めひ)の袖口の綻(ほころび)をなほしはじめた...
犬養健 「朧夜」
...世間は綻(ほころ)び初めた花の噂に浮き立っていたが...
海野十三 「白蛇の死」
...却(かえっ)て様式破綻(はたん)から溢(あふ)れ出る技術と精神気魄(きはく)との作ったものである...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...ふたりの家庭の破綻(はたん)が一時...
田中英光 「さようなら」
...雲の縫ひ目もところどころ綻びそめ...
田山花袋 「道綱の母」
...破綻(はたん)百出のこの不自然な恋愛の不合理を説き...
徳田秋声 「仮装人物」
...破綻に瀕(ひん)した清川との恋愛を辛うじて繋(つな)ぎ止めているのに違いなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...当家の財政破綻を救ったから...
直木三十五 「南国太平記」
...そこに破綻を見出したのではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...すっかり訓練されて立居振舞に少しの破綻(はたん)もありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...本当の田舎者で――」お道の頬は少し綻(ほころ)びます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...子供らしい破綻(はたん)はなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この花は正に開綻せる状にして...
牧野富太郎 「植物記」
...然(しか)しその眼元はあの無垢(むく)な光を失って一種鋭どい酷薄な光りを帯び柔(やさ)しく綻(ほころ)びかかった花の莟(つぼみ)のようであった唇の辺りには...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...作者はおそらく作品の小さくて破綻のない気分の磨き上げなどというところを目ざさず...
宮本百合子 「落ちたままのネジ」
...下手(へた)な破綻(はたん)はして来まいと...
吉川英治 「私本太平記」
...なんともいえないうれしさを綻(ほころ)ばした...
吉川英治 「親鸞」
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