...御地は早や南の枝に大和心(やまとごころ)綻(ほこ)ろび初め候ふの由...
石川啄木 「渋民村より」
...たとひその經濟上の破綻が原因をなさぬまでも...
石川啄木 「小説「墓場」に現れたる著者木下氏の思想と平民社一派の消息」
...現在の日本のジャーナリズムがその魔術の呪縛(じゅばく)に破綻(はたん)を示してときどき醜いしっぽを露出するのはいわゆる科学記事の方面において往々に見受けられるのは注意すべき現象である...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...一年の月日は母子の破綻(はたん)を繕いぬ...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...判断が蒙ったかの破綻を黙殺し得たまでである...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...自分の父と健三の間にもこれというほどの破綻(はたん)は認められなかった...
夏目漱石 「道草」
...しかもこの遊戯は勝本氏の理論の一貫性を破綻せしめる危険な遊戯である...
平林初之輔 「諸家の芸術価値理論の批判」
...多くの子を持ちながら其着物の綻(ほころび)を縫うは面倒なり...
福沢諭吉 「新女大学」
...花のような唇を綻(ほころ)ばして...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...発病のためにおこって来る愛の破綻...
宮本百合子 「『健康会議』創作選評」
...いわずしてもういう以上の欣(うれ)しさを綻(ほころ)ばせていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...紅梅白梅がもう綻(ほころ)んでいた...
吉川英治 「平の将門」
...すべての破綻(はたん)とともに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...綻(ほころ)びた袂(たもと)の白い裏地へ血しおが朱(あか)く滲(にじ)んで見えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...梅も綻(ほころ)びかけている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...十彼の破綻(はたん)を祈る...
吉川英治 「宮本武蔵」
...精神障壁が綻びていくにつれ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
...破綻を起さなかったのが...
蘭郁二郎 「鉄路」
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