...いかにも足もとがあやうく見えながら少しも破綻(はたん)を示さず...
有島武郎 「或る女」
...彼女がついに精神の破綻(はたん)を来すに至った更に大きな原因は何といってもその猛烈な芸術精進と...
高村光太郎 「智恵子の半生」
...今しがた暗くした顔をにこにこと嬉しそうに綻(ほころ)ばせた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...非写実的な環境の中に孤立した写実は全く救い難い破綻(はたん)を見せるであろう...
寺田寅彦 「生ける人形」
...以て財政上他日の破綻を見るを毫も意とせざるなり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...あるいは綻びをつづくっているのもあって...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...特にここを破ろうとの破綻(はたん)というものが...
中里介山 「大菩薩峠」
...そこに破綻を見出したのではなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...恋愛三昧(ざんまい)の破綻(はたん)を呵責(かしゃく)なく責めて...
長谷川時雨 「田沢稲船」
...林は急に顔を綻ばしながら大急ぎで真名古に追いつくと...
久生十蘭 「魔都」
...マクリイ卿との結婚生活にも破綻(はたん)が来た...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...一方の林には白色の桜が競発して赤白の花が同時に綻(ほころ)びその盛観例えるに物が無いでしょう...
牧野富太郎 「植物記」
...一旦破綻(はたん)を生ずれば破落々々となり了(をは)る者あり...
山路愛山 「明治文学史」
...三年のうちにかならず破綻(はたん)をおこして自壊する...
吉川英治 「三国志」
...なお些少(さしょう)でも破綻(はたん)を生じれば...
吉川英治 「新書太閤記」
...破綻を見せない用意もあったにちがいない...
吉川英治 「随筆 新平家」
...綻(ほころ)びを縫ってくれた」「…………」聞き入りながら...
吉川英治 「旗岡巡査」
...シャトウ・チェリイから出て来た女弟子のカミイユ・クロオデル嬢との恋愛の破綻(はたん)によって...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
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