...時々畫面の裝飾的効果に多少の破綻を生じてゐるかも知れない...
芥川龍之介 「二人の紅毛畫家」
...たとひその經濟上の破綻が原因をなさぬまでも...
石川啄木 「小説「墓場」に現れたる著者木下氏の思想と平民社一派の消息」
...若しか夫の顔のどこかに綻(ほころ)びでもあつたら...
薄田泣菫 「茶話」
...それとも長い煙管(きせる)で巻きつけられたがための綻びか...
田中貢太郎 「春心」
...春になれば鶯が啼いて花が綻び...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...破綻に瀕(ひん)した清川との恋愛を辛うじて繋(つな)ぎ止めているのに違いなかった...
徳田秋声 「仮装人物」
...融自身の破綻だらけな生活や卑小な仕事が...
徳田秋聲 「歯痛」
...その破綻を瀰縫するための市当局の無茶を見て...
戸坂潤 「社会時評」
...特に文化現象に於ては公私間の破綻が現われ易いのであるが...
戸坂潤 「一九三七年を送る日本」
...あまり厳密に考えると少しは破綻(はたん)が出そうであります...
夏目漱石 「創作家の態度」
...幾度か破綻(はたん)の危機を経(へ)た中年以後の夫婦生活に入っても...
野村胡堂 「楽聖物語」
...少し綻(ほころ)びた唇...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...床の上の姿には何んの破綻(はたん)もありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...田舎住まいをしたうちにそのまれな美貌(びぼう)の人がこの世に現存していることも忘れていて今ほのかな灯(ひ)の明りに几帳(きちょう)の綻(ほころ)びから少し見える源氏の顔を見ておそろしくさえなったのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...膝のところが隨分綻びてゐるぢやありませんか...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...近日梅花及桜桃李椿等漸綻(やうやくほころび)...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...白日青天の下に此(かく)の如く無残に曝(さら)し出されている東京市政の破綻を見て...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...厚でな盃のふちみたいな唇を綻(ほころ)ばせて...
吉川英治 「宮本武蔵」
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