...この家庭の破綻(はたん)を処理した沼南の善後策は恐らく沼南の一生を通ずる美徳の最高発現であったろう...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...各方面の事業が破綻百出の形なので...
徳田秋聲 「籠の小鳥」
...破綻(はたん)百出のこの不自然な恋愛の不合理を説き...
徳田秋声 「仮装人物」
...せっかく営んだ田端の愛の巣にもすでに破綻(はたん)が来て...
徳田秋声 「仮装人物」
...此の頃その銀行が破綻を来したので...
徳田秋聲 「草いきれ」
...思いがけない破綻(はたん)が来はしないかという懸念が...
徳田秋声 「爛」
...子供らしい破綻(はたん)はなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...多くの子を持ちながら其着物の綻(ほころび)を縫うは面倒なり...
福沢諭吉 「新女大学」
...マクリイ卿との結婚生活にも破綻(はたん)が来た...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...さうした人々の破綻は余りにも熾烈な情熱の俘囚(とりこ)となつたばかりからではないでせうか...
牧野信一 「〔婦人手紙範例文〕」
...言いようなき破綻(はたん)の厄(やく)をおかけしたので...
吉川英治 「私本太平記」
...うかと野望に立ち上がッたものの矢作(やはぎ)の破綻(はたん)からここまで来て立ち往生のほかなく...
吉川英治 「私本太平記」
...江南の春はもう梅も綻(ほころ)ぶほどあたたかい...
吉川英治 「新書太閤記」
...こうした後(うしろ)めたい破綻(はたん)に立つと日頃の顔色もない...
吉川英治 「新書太閤記」
...致命的な破綻(はたん)をきたす禍(わざわ)いとならない限りもない...
吉川英治 「新書太閤記」
...破綻を見せない用意もあったにちがいない...
吉川英治 「随筆 新平家」
...綻(ほころ)ぶのもいとわず...
吉川英治 「平の将門」
...破綻、敗北、すべて画策が画餅(がべい)に帰したと覚(さと)ると、(ついに事ここに至ったか)と、さすがの藤井紋太夫も、悲痛な覚悟をきめたらしく、式台(しきだい)に列座して、当主綱条(つなえだ)以下家臣一統とともに、老公の駕籠を見送るときは、その眉宇(びう)に生色(せいしょく)もなかった...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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