...綻(ほころ)びた処があるので...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...日頃ビクビクもので気づかっていた破綻(はたん)が...
江戸川乱歩 「お勢登場」
...桜の花が綻ばうとするころだらう...
薄田泣菫 「独楽園」
...既に破綻(はたん)が続出しかけていたのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...これは自然なものと不自然なものとの衝突から生じる破綻(はたん)である...
寺田寅彦 「生ける人形」
...従ってこの間に錯雑して現われて来るいろいろな作者のそれぞれちがった個性はなんらの破綻(はたん)を生じないのみか...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...綻(ほころ)びたズボンのポケットから「絵本」を出してくれたり...
徳永直 「冬枯れ」
...生存しきれなくなって破綻の悲運に陥るかどうか...
豊島与志雄 「文学に於ける構想力」
...地の文か或は地の文の中にとけこんだ言葉で書かれた筈である――その破綻した場面で...
豊島与志雄 「「紋章」の「私」」
...それぞれ一歩をあやまてば取返しのつかない綻(ほころ)びが転がり出すことをよく心得ていながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...着物の綻びを繕つてゐた祖母が通りかゝつた彼に訊ねた...
中原中也 「耕二のこと」
...破綻を生じてしまったのである...
中村地平 「霧の蕃社」
...すっかり訓練されて立居振舞に少しの破綻(はたん)もありませんが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お前の智惠試しに丁度誂(あつら)へ向ぢやないか」「ところが駄目で」「兜を脱いだのか」「あつしの智惠袋が綻(ほころ)びだらけで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...秋の霜のような烈しい顔をそっと綻ばして喜ばしさに通りもやれず玄正は...
正岡容 「小説 圓朝」
...戦争の勃発に当って生じた需要と商業信用との破綻にあるのであり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...然るに或る日意外な辺から破綻(はたん)が生じた...
森鴎外 「雁」
...大事の破綻(はたん)を醸(かも)そうも知れぬ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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