...何もいわなかったほうがよかったんですけれども……」そう絶え入るように声を細めて岡は言葉を結ばぬうちに口をつぐんでしまった...
有島武郎 「或る女」
...今にも絶え入るかと危ぶまれるような荒い息気(いき)づかいで夢現(ゆめうつつ)の間をさまようらしく...
有島武郎 「或る女」
...絶え入るやうに泣き崩れた...
鈴木三重吉 「金魚」
...それは甘い甘い絶え入るような声...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...絶え入るような思いで女房のことを思っていた...
田中貢太郎 「月光の下」
...夜中夢中で絶え入るほど咳きこんで困つた...
種田山頭火 「其中日記」
...「はあッ」と絶え入るように更に強い太息を吐いて片袖に顔を隠して机の上に俯伏して了った...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...絶え入るばかり悲鳴を揚げているのは...
中里介山 「大菩薩峠」
...絶え入るばかりに哀(あわ)れ深い調べが...
野村胡堂 「楽聖物語」
...怖いよう」不意に眼を覚した富太郎は絶え入るように泣き叫んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...絶え入るばかりもがき苦しみます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...絶え入るやうに平次を呼留めるではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夕闇の中に絶え入る...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...絶え入るばかりの咳の声を聞いた...
原民喜 「忘れがたみ」
...ちょうだい」絶え入るように...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...そのすぐ跡からそんな返事をやった事でもって自分から絶え入るような思いをしていると...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...美の致命的な接吻のもとに絶え入るとすれば...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...気が絶え入るほど痛いのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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