...彼は一本の唐黍(からきび)に忽(たちま)ちこの画家を思ひ出した...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...忽(たちま)ちするすると庭前(ていぜん)に聳(そび)えている...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...忽ち嚴(おごそか)なる色を見せたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...これも忽(たちま)ちふさがってしまった...
海野十三 「恐怖の口笛」
...その時立子が此の部屋に這入つて来るや否や忽ち「おゝ気味が悪い...
高浜虚子 「椿子物語」
...一語一句も忽かにせず...
戸川秋骨 「翻訳製造株式会社」
...科学上の研究成果もジャーナリズムの手によると忽ち卑俗化されて了うという...
戸坂潤 「思想としての文学」
...忽ち旦那が附いちまったんだよ」「そんなはずはあるめえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...民心は忽ち大に動揺したのであった...
中村地平 「霧の蕃社」
...忽ち白眼を向けるのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...忽(たちま)ちあの雨にとざされた山の療養所であった事から...
堀辰雄 「菜穂子」
...忽ちのうちに上達して...
牧野信一 「秋晴れの日」
...漸く撥を降してドンと一つ大きく響かせたかと思ふと忽ち煙りのやうにどろどろと余韻を曳かせて...
牧野信一 「泉岳寺附近」
...忽ち湧き出すという池があって...
柳田國男 「日本の伝説」
...忽ち粗(まば)らな拍手が起った...
夢野久作 「暗黒公使」
...「一回月給を貰って、忽ち馘とは、これはまた無常迅速なものだね...
横光利一 「夜の靴」
...敵来たらば、願うてもない倖せ、一段、二段の柵まで踏ませず、ただみなごろしを加えてくるるばかりです」宇佐美も甘糟も、忽ち、防禦防戦とのみこんだものらしい...
吉川英治 「上杉謙信」
...忽ち恐ろしくなって来た...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
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