...幅の広い電燈の光りに忽ちその若い母の誰であるかを発見した...
芥川龍之介 「あばばばば」
...忽(たちま)ち風下の空に紛れて...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...牧場も忽ち接骨木の茂みの頂上に行つてしまひました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...忽ち私も仙吉も化かされて了い...
谷崎潤一郎 「少年」
...これがためにその船兵のものと貴国の民と忽(たちま)ち争端を開き...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...「天下その真偽に惑い奸(かん)催眠術者の徒忽(たちま)ちに跋扈(ばっこ)を極め迷信を助長し暴利を貪(むさぼ)り思想界を擾(みだ)る」という状態にまでなったのである...
中谷宇吉郎 「千里眼その他」
...婦人連は忽ち彼の気風と性格を会得(のみこ)んでしまった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...なるほど逃げてゆく彼らは忽(たちま)ち面をかむってあちこちから万豊を冷笑した...
牧野信一 「鬼涙村」
...彼等は忽ち能弁になりました...
牧野信一 「舞踏会余話」
...わづかな風にさへ私の小屋は忽ち吹き飛んで未だに家も成さない...
牧野信一 「文学的自叙伝」
...「帰程忽及大猪水...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...忽(たちま)ちそれを投げ捨て...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 森鴎外訳 「家常茶飯」
...イヴォアにおいてユリアノ・ロメロ殿が粗忽(そこつ)にもモンモランシー元帥殿と講和しようとしてその城を出たところ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...北河の岸まで逃げてくると忽然...
吉川英治 「三国志」
...粗忽(そこつ)めさるな」ぶあいそに菊王は...
吉川英治 「私本太平記」
...いつのまにか疑問(ぎもん)の三名は忽然(こつねん)とかげを消(け)して...
吉川英治 「神州天馬侠」
...有村(ありむら)は忽然(こつぜん)と姿を隠した...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...軽忽(けいこつ)なお旅は...
吉川英治 「源頼朝」
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