...第三者――僕の場合こそ本當に第三者である――を交へぬ場合にも猶僕の世界には話し聲が絶えないのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...それにしてもあの離座敷は! 夜も水鶏(くひな)の啼く声の絶えないあの離座敷は! そこで始めて私はその本家の娘といふかの女を見たのではなかつたか...
田山録弥 「あさぢ沼」
...二本の棒切れのどちらが定規(じょうぎ)でどちらが杓子(しゃくし)だか分らなくなったりするためにこの世の中に喧嘩が絶えない...
寺田寅彦 「観点と距離」
...必要上これをなくされないから絶えない...
内藤湖南 「支那目録學」
...金が唸(うな)るほどあるんで」「金持は心配が絶えないよ」八五郎はすっかり興味を失いました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...日本でも三百六十五日朝々味噌汁が絶えない風習だ...
林芙美子 「朝御飯」
...なかなか仲が絶えそうで絶えないのが気になったが...
堀辰雄 「ほととぎす」
...床にまいた大鋸屑(おがくず)を靴にくっつけて歩道までよごす節季買物の男女の出入が絶えない...
「赤い貨車」
...此系は今猶連綿として絶えない...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...老病困厄は絶えない...
森鴎外 「妄想」
...硯と共に墨の需用は絶えないでありましょう...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...躯じゅうになま傷が絶えない...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...稀にはそれ以上も供養の絶えない墓があるのに...
山本周五郎 「季節のない街」
...弔問の客があとから絶えないので...
山本周五郎 「日本婦道記」
...脱走者は絶えない...
吉川英治 「三国志」
...(末代までも御賄(おんまかな)いの調(みつぎ)の絶えないように)と...
吉川英治 「新書太閤記」
...説をなすものが絶えない...
吉川英治 「新書太閤記」
...栄花に汲々たる公卿顕官の策動が絶えない...
吉川英治 「随筆 新平家」
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