...不細工な和船の中で...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...此の若い医師の言葉はすべてそれらの神経的な小細工な遣り口を嘲笑して遺すところがなかった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...根本さア処(とけ)の御客様(おきやくさん)かね」「其処に行輔(かうすけ)といふ子息(むすこ)が有るだらう?」「御座らつしやる」と言つて吸ひ懸けた烟草(たばこ)の烟(けむり)を不細工な獅子鼻からすうと出し...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...そういったようなデリケートな細工などは一切抜きにして全く荒削りの嘆きの天使ができあがっているようである...
寺田寅彦 「自由画稿」
...まん中の窓のそばにある、飾り気のない、不細工な、木造りの四角のテーブルは、その片隅から移されたものらしかった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...よくよく不細工な椅子で...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...不細工な文字が並んで馬鹿げた媚態を作っている...
豊島与志雄 「慾」
...不細工な鉄枠の使い様...
永井隆 「この子を残して」
...葺(ふき)降しの不細工な十坪内外の田舎造りではあったが...
永井隆 「長崎の鐘」
...留守居を勤めるのだという――繩や草鞋の手細工などをやりながら...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...菊細工なんぞ見てなんになるものか...
夏目漱石 「三四郎」
...不細工な布袋竹(ほていちく)の先へ一枚糸を着けて...
夏目漱石 「道草」
...塀を乗り越えた跡の細工などは...
野村胡堂 「女記者の役割」
...無細工なおかしな娘だったので...
林芙美子 「文学的自叙伝」
...また第二に少し遠ざかつて見るやうに画いたのは例の髪の毛を一本一本画くやうな小細工な日本画家と同日に論じられん所である...
正岡子規 「病牀六尺」
...この狡(ずる)い作者はいろいろな人間をとらえて来て面接させたという幼穉(ようち)な小細工なのだ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...厭な野郎は不細工な指で...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...故老たちの無細工なる海嘯史論を聞かされた...
柳田国男 「雪国の春」
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