...黄老の学者の地上楽園もつまりは索漠とした支那料理屋に過ぎない...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...それらの索漠とした記事から記事へ殆(ほとんど)機械的に眼を通した...
芥川龍之介 「蜜柑」
...私は索漠とした心もちで...
芥川龍之介 「世之助の話」
...索漠として想像までには結ばなかった...
梅崎春生 「幻化」
...後の感銘は実に索漠たるものだった...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...佗びしい索漠たる感じが四方から寄せてきた...
豊島与志雄 「人間繁栄」
...遠く北の方に樽前山(たるまへさん)の噴火の煙が見えるのも妙に索漠(さくばく)たる感じを誘つた...
「處女作の思ひ出」
...ただ索漠たる氣持の中に陷るばかりだつた...
南部修太郎 「ハルピンの一夜」
...軽石だらけの索漠陰惨な横穴でもなく...
久生十蘭 「地底獣国」
...索漠(さくばく)たるものでした...
久生十蘭 「ハムレット」
...無味索漠たる空々しい人生の中で...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...索漠とした毎日を過ごした...
火野葦平 「花と龍」
...ユウジェニイの晩年は非常に索漠としたものだつた...
堀辰雄 「モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ」
...たゞ索漠たる夢心地に居るばかりであつた...
牧野信一 「風媒結婚」
...――六角形の部屋――索漠として無味で居心地が悪く...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「悩みのひととき」
...外国人の写真が出たから何かと見ると下に「人生の快事」と題して「人生にすべての苦難がなくなったときの索漠たる物寂しさを想像して見よ」この世は辛いのでいいのだという金言みたいなのがのっている...
宮本百合子 「『キング』で得をするのは誰か」
...蒼白く無表情に索漠とした顔つきである...
宮本百合子 「刻々」
...しかもなお索漠(さくばく)たる砂上を踏んで歩いていると...
室生犀星 「みずうみ」
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