...折しも穴を潜ろうとする蠅男の一本の足に素手で飛びついた...
海野十三 「蠅男」
...今度は素手で来て...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...けっして素手では叩き殺さない...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
...ほとんど素手で攻め落しているじゃありませんか...
太宰治 「惜別」
...併しそれも亦素手では不可能なので...
戸坂潤 「思想としての文学」
...素手で現れて「御苦労」と...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...先方もまた必ず素手でやって来るというわけでもありますまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...素手ですごすご帰る...
中里介山 「大菩薩峠」
...東京の人間に素手で開墾させようというのは無理である...
中谷宇吉郎 「琵琶湖の水」
...なにぶん素手ではあつかいかねたものか...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...泥棒が素手で逃げたにも拘わらず...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...素手では水銀もすくえず...
久生十蘭 「三界万霊塔」
...国へ帰えると言ッてもまさかに素手でも往(い)かれまい...
二葉亭四迷 「浮雲」
...」「一人の女は素手で絞め殺して...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...素手で帰ることがしのびがたいのであった...
本庄陸男 「石狩川」
...当分は素手でテルヨをつかまへるのだ...
牧野信一 「天狗洞食客記」
...そこを間違えては困るが、こちらがそういう存念なのだから、貴様の方でもこれからは、わしにだけは、害意を捨てて貰いたいな」「と、仰言っても、御隠居さん――」と、闇太郎は、先き程までの、夜の巷での、悪戦苦闘の、忌(いま)わしい追憶は、とうに忘れてしまったように、美酒の酔いに、陶然(とうぜん)と頬を、ほてらせながら、「何しろ、性分が性分で、さっきから、申し上げるように、一度盗みたいとなると、どうも遠慮が出来ねえ生れつき、こちらのようなお屋敷に、足踏みをしていると、たまにゃあ、素手では、帰えられねえような気持になることもあるでしょう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...素手でも行かれんわな...
宮本百合子 「栄蔵の死」
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