...糢糊(もこ)として動いている...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...骸骨の画に夕風や盆挑灯(ぼんぢやうちん)も糊ばなれ本間主馬(しゆめ)が宅に...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...何の財産なき一家の糊口(ここう)の責任というものが一時に私の上に落ちてきた...
石川啄木 「弓町より」
...糊本は遂に死刑を宣告されたとある...
海野十三 「蠅男」
...覺束なき紅葉の色が糊の多い白い地の上に五つ六つ染め附けられてゐて只鮮やかに赤いのは其中の一つばかりである...
高濱虚子 「俳諧師」
...ずっと以前に女から一人の叔父は油の小路とかで悉皆屋(しっかいや)とか糊屋(のりや)とかをしていると聞いていたように思う...
近松秋江 「狂乱」
...糊で固めておいた自分たちの立場が...
中里介山 「大菩薩峠」
...糊のきいた肌ざはりのいゝ浴衣に換へさせられた...
長塚節 「開業醫」
...私の長い暑中休暇は悉く糊口の資を得る爲に費されました...
長塚節 「教師」
...白い肌(はだえ)が模糊(もこ)として動いている……」「詩的ですね...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...念佛を稱(とな)へ乍ら商賣物の姫糊(ひめのり)を拵へてゐるぢやありませんか」「それから何うした」「散々脅(おど)かした末...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...きちんと糊付がしてあった...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「鼻」
...生々しい血糊で汚れた手を妾(わたし)に見せておまけに『俺は盗みもしてきたんだよ...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...口を糊するを得ず...
福沢諭吉 「学問の独立」
...彼岸は模糊(もこ)として砂漠につづき...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...糢糊としての予測のつかない未来とが...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
...糊を仕込んだ日付は表に書いてあった...
山本周五郎 「さぶ」
...糊目(のりめ)正しい裃(かみしも)の供侍(ともざむらい)がズラリと埋(うず)まったところはまことに奇観です...
吉川英治 「江戸三国志」
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