...何の財産なき一家の糊口(ここう)の責任といふものが一時に私の上に落ちて来た...
石川啄木 「弓町より」
...何の財産なき一家の糊口(ここう)の責任というものが一時に私の上に落ちてきた...
石川啄木 「弓町より」
...このニッケル貨幣は三枚とも糊で貼りあわせたように...
海野十三 「深夜の市長」
...今度は文字の方に糊を附けて張附ける...
高濱虚子 「俳諧師」
...細君は刷毛を口にくはへて糊のついた手の甲で左の袖をまくり上げて痒い所を散々に掻く...
高濱虚子 「俳諧師」
...短刀を抜いて怪しい血糊を見たり...
田中貢太郎 「狐の手帳」
...四つの封糊でとめられて時を経て黄色がかっている小さな四角な紙に...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...小さい私塾の英語の教師をして糊口をしのいでゐた...
林芙美子 「愛する人達」
...まづい糊みたいなポタアジュとコロッケ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...到底糊貼り衣裳なんかは売りはしまい...
正岡容 「我が圓朝研究」
...模糊として日光に煙っている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...それを続けて行くために窮乏の暮しに堪えていた」それが遂に「堪え切れなくなって第一線を離れ糊口の業をするように」なった...
三好十郎 「俳優への手紙」
...日中は里へ下り農作して口を糊(ぬら)したり...
柳田国男 「遠野物語」
...犯した罪を糊塗(こと)しようとして...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...その蓋に当る首の根の方形部には糊付けの痕(あと)残存せるを見る...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...刀の血糊(ちのり)を拭いてとると...
吉川英治 「江戸三国志」
...模糊(もこ)とした深岳(しんがく)の一角(かく)へ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...晩生いよいよあいまい模糊と自分で自分をぼかして生きているようなものである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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