...糊口のよすがに困るのも目前ぢや...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...きんぴら牛蒡(ごぼう)やきんぴら糊に名を残したばかりか...
淡島寒月 「梵雲庵漫録」
...後から糊で貼り着けたらしい小さな小豆を砕いた様な木の実だが...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...苗売の立ちどまりつゝ三声ほどセルを着て白きエプロン糊(のり)硬(かた)く五月十五日 木ノ芽会主催...
高浜虚子 「六百句」
...鑿で木を刻んだのではこの隅々の模糊とした味いは出ず...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...寝間着ニハイツモ甘ッタルイ腐リカヽッタヨウナ糊ノ匂イガシタ...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...それを糊(のり)のついた白地の単衣(ひとえ)に着替えて...
田山花袋 「蒲団」
...其の結果は小細工を以て糊塗せる過去の理想若しくは浅薄なる現時の俗人的理想を描写せしむるにとゞまるの悔なきを得るか...
綱島梁川 「国民性と文学」
...全体宛(さなが)ら糊されし様に鯱張(しやちば)りかへつて...
徳富盧花 「燕尾服着初の記」
...巧みに封じ目の糊(のり)をはがして中の手紙を見た...
永井荷風 「ひかげの花」
...期待したそれらが生憎(あいにく)漠々たる春靄に包まれて些とも姿を見せない位だから富士も丹沢山塊も奥秩父も多摩相模の分水方面も模糊として眠るが如き夢の幕に包まれている...
中里介山 「山道」
...生温い糊のようなものは頭にも浸透して来て...
中島敦 「環礁」
...私が中學にはひる年頃に成つた頃はもう私の一家は糊口することだけが苦痛でありました...
長塚節 「教師」
...一家七人が糊ほどのものを口に入れることが出来るようにはなりましたが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...あなたは朝御飯からこつちお糊(かゆ)を召し上つたきりだつてハナァが云つてましたもの...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
......
正岡子規 「曙覧の歌」
...糢糊としての予測のつかない未来とが...
宮本百合子 「思い出すかずかず」
...糊(のり)と湯気を噴きこぼしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??