...わづかに内密の代筆や飜譯で口を糊するに過ぎませんでした...
石川三四郎 「浪」
...情けない奴が」と嵐の吹き留めに其處に在る糊の皿を足蹴にしてひつくりかえし...
高濱虚子 「俳諧師」
...雲影(うんえい)模糊(もこ)とみえそめた島々の蒼(あお)さを驚異(きょうい)と憧憬(どうけい)の眼でみつめたまま...
田中英光 「オリンポスの果実」
...それには糊の臭があるとみえて...
種田山頭火 「其中日記」
...多くは曖昧模糊たることを常とする...
豊島与志雄 「秦の出発」
...曖昧模糊たるものがあり...
豊島与志雄 「風景」
...僅かばかりの賃仕事をして居たのですけれどもそれで糊口の出來ないのは勿論のことであります...
長塚節 「教師」
...血糊も拭わずに袷(あわせ)の上に置いてあるのも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...たすきがけでお釜の中のしめ糊を掻(か)き廻していた...
長谷川時雨 「旧聞日本橋」
...――糊壺をかぎながら...
林芙美子 「秋果」
...彼はしばらく母校の仕事の手傳や家庭教師の仕事などをして口を糊するよりほかはなかつた...
堀辰雄 「モオリス・ド・ゲランと姉ユウジェニイ」
...遥(はるか)に川面(かわも)を見渡すと前岸は模糊として煙のようだ...
正岡子規 「句合の月」
...ただ夏ばかりは単衣(ひとえ)の糊(のり)を強くし...
柳田国男 「木綿以前の事」
...よく糊(のり)がきいてごわごわしており...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...糊皿を脇へ動かしたり...
山本周五郎 「さぶ」
...犯した罪を糊塗(こと)しようとして...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...骨だらけの身体(からだ)に糊の利いた浴衣...
夢野久作 「白くれない」
...晩生いよいよあいまい模糊と自分で自分をぼかして生きているようなものである...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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