...一体庭樹といふものの多くが、人間の好みに適応するやうに囚へられ、撓められ、造り替へられてゐるのに比べて、雑木はその持味の素朴さ、粗々しさ、とげとげしさの感じが失はれてゐないだけに、それにとり囲まれてゐると、どうかすると人をして山林の中に棲遅(せいち)してゐるやうな幻想を抱かしめるものだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...この白熊が自分を粗々しくなでまわしたり...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...こんな粗々(あらあら)しい仕方で嘘と顔を突き合わせたのは生まれてはじめてであった...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「小波瀾」
...玄関で急に粗々しいベルの音がしたのである...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...従って十五六にして「粗々(ほぼ)技能有(ぎのうあり)」と伝えられている位...
直木三十五 「巌流島」
...粗々(あら/\)しい逆立(さかだ)つた頭髮等は巧みに人相を變へてはゐたが...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...栗の木はいつしかガツシリした姿勢と粗々(あらあら)しい木肌とを持つた立派な一本立の木になつた...
室生犀星 「愛の詩集」
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