...百姓の粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)の産出物であるは言わでもの事であるが...
大隈重信 「夫婦共稼ぎと女子の学問」
...粒々辛苦してはじめて真味がわかるくらいなものだ...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...粒々辛苦実にいうに忍びざる苦境を経て...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...母の粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)の金とおもえば居ても立ってもおられず...
田中英光 「オリンポスの果実」
...まつたく粒々辛苦だ...
種田山頭火 「行乞記」
...今朝は嫌な事と嬉しい事とがあつた、その二つを相殺しても、まだまだ嬉しさが余りあつた、――といふのは、起きてすぐ前の畠に尿して道を横ぎらうとするところへ、まご/″\走る自動車がやつてきた、彼は巡査だつた、私が尿したのを見たのだらう、そして恐らくは自分のまご/″\を隠すためだらう、そこへ小便してはいかんぢやないか、といひ捨てゝいつた、私は無論何とも答へなかつた、そして彼の没常識を憐んだ、私などはなるたけ小言をいひたくないのに、彼はなるたけ小言がいひたいのだ、とうてい部長にもなれない彼だ、なぜ彼等はあんなにこせ/\するのだらう、――嬉しい事といふのは、郷里の妹からたよりがあつたのだ、ゲルトも送つてくれたし、着物も送つてくれた、私はさつそくその着物をつけて、そのゲルトで買物しい/\歩いた、あゝ何といふ肉縁のあたゝかさだらう!米を買つた、一升拾六銭だ、米はほんたうに安い、安すぎる、粒々辛苦、そして損々不足などゝ考へざるをえないではないか...
種田山頭火 「行乞記」
...粒々辛苦にうたれるのである...
種田山頭火 「其中日記」
...彼にありては粒々辛苦...
種田山頭火 「其中日記」
...まことに粒々辛苦...
種田山頭火 「其中日記」
...農夫が粒々辛苦する以上の辛苦であった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...米は粒々辛苦なものだから一粒も粗末にしてはいけないとよくいわれていました」という話をした...
中谷宇吉郎 「米粒の中の仏様」
...粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)の虎の子を根こそぎ巻きあげられ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...思えばこうした永い年月の粒々辛苦の芸術行路のゆえである...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...又は其粉を糯米にまぜても食つた(粒々辛苦)...
柳田國男 「食料名彙」
...さうして漬物用の菜を一般にヒラグキとも呼んで居る(粒々辛苦)...
柳田國男 「食料名彙」
...またはその粉を糯米にまぜても食った(粒々辛苦)...
柳田國男 「食料名彙」
...その一ページ一ページの蔭に粒々辛苦している現代ジヤーナリストのなみたいていでない苦勞ばなしや苦心をあはせて感じてくるのであります...
吉川英治 「折々の記」
...よほどな粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)で...
吉川英治 「私本太平記」
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