...さらに小さい粒々の黒点が...   
海野十三  「火星兵団」 
...白い粒々の花がいくつも附いてゐる...   
鈴木三重吉  「女の子」 
...わしはこの子にわしが六十年間かかってためた粒々の小銭...   
太宰治  「ロマネスク」 
...粒々(つぶつぶ)の汗が...   
田中英光  「オリンポスの果実」 
...今朝は嫌な事と嬉しい事とがあつた、その二つを相殺しても、まだまだ嬉しさが余りあつた、――といふのは、起きてすぐ前の畠に尿して道を横ぎらうとするところへ、まご/″\走る自動車がやつてきた、彼は巡査だつた、私が尿したのを見たのだらう、そして恐らくは自分のまご/″\を隠すためだらう、そこへ小便してはいかんぢやないか、といひ捨てゝいつた、私は無論何とも答へなかつた、そして彼の没常識を憐んだ、私などはなるたけ小言をいひたくないのに、彼はなるたけ小言がいひたいのだ、とうてい部長にもなれない彼だ、なぜ彼等はあんなにこせ/\するのだらう、――嬉しい事といふのは、郷里の妹からたよりがあつたのだ、ゲルトも送つてくれたし、着物も送つてくれた、私はさつそくその着物をつけて、そのゲルトで買物しい/\歩いた、あゝ何といふ肉縁のあたゝかさだらう!米を買つた、一升拾六銭だ、米はほんたうに安い、安すぎる、粒々辛苦、そして損々不足などゝ考へざるをえないではないか...   
種田山頭火  「行乞記」 
...一ツ二ツ三ツ四ツ玉蜀黍の粒々は二十五の女の侘しくも物ほしげなる片言なり蒼い海風も黄いろなる黍畑の風も黒い土の吐息も二十五の女心を濡らすかな...   
林芙美子  「蒼馬を見たり」 
...墓場の上に紅(あか)い粒々(つぶつぶ)がパッと散って行くほど...   
林芙美子  「魚の序文」 
...ぞうげ色の粒々が行列して出て来る...   
林芙美子  「新版 放浪記」 
...奇妙な顔は全体が黒豆の粒々で出来上つてゐるやうであつた...   
原民喜  「夏の花」 
...粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)の虎の子を根こそぎ巻きあげられ...   
久生十蘭  「顎十郎捕物帳」 
...ふた品ほどの皿の上――ひとつは真黒い粒々でもうひとつは茶っぽいドロッとしたものだった...   
正岡容  「小説 圓朝」 
...優しさと勁(つよ)さと無限の的確さをもった粒々の音...   
宮本百合子  「獄中への手紙」 
...底の粒々に一つずつふれてゆくように...   
宮本百合子  「獄中への手紙」 
...粒々ありがたくのみこまなくてはならない次第です...   
宮本百合子  「獄中への手紙」 
...又は其粉を糯米にまぜても食つた(粒々辛苦)...   
柳田國男  「食料名彙」 
...その人々の粒々(りゅうりゅう)とながす汗に引き摺られて...   
吉川英治  「親鸞」 
...粒々辛苦、長らく仕えて来た配所の家人たちは、ふたりの姿を見て欣し涙を抑えきれなかった...   
吉川英治  「源頼朝」 
...滴る樣な濃紫の指頭大の粒々しい實の上にさら/\と鹽を振つて...   
若山牧水  「樹木とその葉」 
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