...白い粒々の花がいくつも附いてゐる...
鈴木三重吉 「女の子」
...欣之介のゐる離家(はなれ)の横手にある灰汁柴(あくしば)の枝々の先端(さき)へ小さな粒々の白い花が咲き出した頃の或る日暮方...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...それとともに今日まで粒々辛苦して築き上げた堅実な父の業務の一切が...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...彼にありては粒々辛苦...
種田山頭火 「其中日記」
...粒々辛苦実である...
種田山頭火 「其中日記」
...そうした種類の粒々たる心労も...
戸坂潤 「学生の技能と勤労大衆」
...一ツ二ツ三ツ四ツ玉蜀黍の粒々は二十五の女の侘しくも物ほしげなる片言なり蒼い海風も黄いろなる黍畑の風も黒い土の吐息も二十五の女心を濡らすかな...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...ぞうげ色の粒々が行列して出て来る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...菅子のむき出した肩のあたりに顎を凭(もた)せかけると、母親に逢いたくなって、粒々な涙が、みひらいた目から湧くように溢れた...
林芙美子 「泣虫小僧」
...牡蛎籠の上に一列に並んでゐるレモンの粒々に...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...それを春団治こそは寝食を忘れ、粉骨砕心し、粒々辛苦の結果、たとへば額とか、膝ツ小僧とか、肩のどの線とか、親指と人さし指の間とか、全くおもひもおよばざるところに哄笑爆笑の爆発点を発見し、遮二無二、その一点を掘り下げていつた大天才であつたとおもふ...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...茶褐色(ちゃかっしょく)の粒々を...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...粒々がある...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...底の粒々に一つずつふれてゆくように...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...辛苦の粒々を掘(ほじ)っている,遠くには森がちらほら散ッて見えるが...
矢崎嵯峨の舎 「初恋」
...そうして漬物用の菜を一般にヒラグキとも呼んでいる(粒々辛苦)...
柳田國男 「食料名彙」
...科學的にいふところの血球の一粒々々には祖先の何ものかが影響してゐるとみてまちがひない...
吉川英治 「折々の記」
...粒々辛苦、長らく仕えて来た配所の家人たちは、ふたりの姿を見て欣し涙を抑えきれなかった...
吉川英治 「源頼朝」
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