...欣之介のゐる離家(はなれ)の横手にある灰汁柴(あくしば)の枝々の先端(さき)へ小さな粒々の白い花が咲き出した頃の或る日暮方...
相馬泰三 「新らしき祖先」
...白い上にも眞白い米の粒々として相重なつてゐるのが涙が零れるやうに面白い...
高濱虚子 「俳諧師」
...わしはこの子にわしが六十年間かかってためた粒々の小銭...
太宰治 「ロマネスク」
...母の粒々辛苦(りゅうりゅうしんく)の金とおもえば居ても立ってもおられず...
田中英光 「オリンポスの果実」
...粒々辛苦にうたれるのである...
種田山頭火 「其中日記」
...まことに粒々辛苦...
種田山頭火 「其中日記」
...農夫が粒々辛苦する以上の辛苦であった...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...な勇」「細工は粒々さ...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...粒々錢々皆是れ國民の膏血なるぞ...
福沢諭吉 「帝室論」
...海の青さの海で真紅に燃えていたその一粒々々は揺れ合い折れ重なり...
槇村浩 「異郷なる中国の詩人たちに」
...それを春団治こそは寝食を忘れ、粉骨砕心し、粒々辛苦の結果、たとへば額とか、膝ツ小僧とか、肩のどの線とか、親指と人さし指の間とか、全くおもひもおよばざるところに哄笑爆笑の爆発点を発見し、遮二無二、その一点を掘り下げていつた大天才であつたとおもふ...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...そこに白く光った白米の粒々を想像し...
宮本百合子 「青田は果なし」
...段々こまかく粒々になってとけ込んで行くような工合になる...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...互を流れ交している水が噴水のように粒々となって...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...細かく粒々立ったようでなつかしみのある眺めです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...さうして漬物用の菜を一般にヒラグキとも呼んで居る(粒々辛苦)...
柳田國男 「食料名彙」
...粒々辛苦、長らく仕えて来た配所の家人たちは、ふたりの姿を見て欣し涙を抑えきれなかった...
吉川英治 「源頼朝」
...滴る樣な濃紫の指頭大の粒々しい實の上にさら/\と鹽を振つて...
若山牧水 「樹木とその葉」
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