...たとへ米塩(べいえん)の資に窮さないにしても...
芥川龍之介 「入社の辞」
...この小作人と市場との間にたつ仲買といふのがその土地の作物を抵当にして恐ろしい利子にかけて所謂米塩の資を貸すのであります...
有島武郎 「農場開放顛末」
...米塩は其職業に労力した結果として自ずから齎らさるゝものでなければならぬ...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...おのれの愛する花を売つて米塩の資にする等とは...
太宰治 「清貧譚」
...「天から貰つた自分の実力で米塩の資を得る事は...
太宰治 「清貧譚」
...当面の問題は日々の米塩だったから(ここでもまた...
種田山頭火 「『鉢の子』から『其中庵』まで」
...人民これがために苦しむの時、前面の敵、上杉謙信がこれを聞いて、武田に使を送って曰(いわ)く、吾と君と争うところのものは武勇にあって、米塩にあらず、南人もし塩を送らざれば北塩を以て君に供せん――といって価(あたい)を平らかにして信玄の国へ塩を売らしめたというのは、史上有名なる逸話であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...米塩のための所帯暮しや...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...或(あるい)は単に米塩のために働らいてる生活...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...その米塩(べいえん)の資(し)はもとより親の額(ひたい)の汗から出ているのですけれど...
羽仁もと子 「親子の愛の完成」
...今も申した米塩(べいえん)のためには敵討ものも書かねえというわけではねえので...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...三 夫婦相愛これより漸(ようや)く米塩(べいえん)の資を得たれども...
福田英子 「妾の半生涯」
...その間を喰(く)いつなぐ米塩の用意であった...
本庄陸男 「石狩川」
...阿母は米塩の資(もとで)だけには事欠ぬと云つてゐたが阿父は西瓜畑の一隅の...
牧野信一 「熱海線私語」
...今やもう私達は日々の米塩に事欠く仕儀に立ち至つてゐたのである...
牧野信一 「バラルダ物語」
...あとはお母さんのお手でやれる左官材料米塩タバコすこしの肥料という風にしていらっしゃれば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...そしてついに米塩の資を得るために母は日夜機(はた)を織らねばならなかった...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...芸道ニ精進シテ米塩ヲカヘリミズ...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
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