...建網(たてあみ)に損じの有る無し、網をおろす場所の海底の模様、大釜(おおがま)を据(す)えるべき位置、桟橋(さんばし)の改造、薪炭(しんたん)の買い入れ、米塩の運搬、仲買い人との契約、肥料会社との交渉‥‥そのほか鰊漁(にしんりょう)の始まる前に漁場の持ち主がしておかなければならない事は有り余るほどあるのだ...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...大杉は一時は米塩(べいえん)にも事欠(ことか)いた苦境に苦(くるし)んでいた事もあったが...
内田魯庵 「最後の大杉」
...『我は米塩の為めに書かず』というは文人としての覚悟として斯うなくてはならぬ...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...米塩は其職業に労力した結果として自ずから齎らさるゝものでなければならぬ...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...文人自らが『我は米塩の為め書かず』というは猶お可なれども...
内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
...たとい米塩(べいえん)の資(し)に窮さないにしても...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...「天から貰つた自分の実力で米塩の資を得る事は...
太宰治 「清貧譚」
...――私はこれによつてこれから日々の米塩をかせぎだすのである...
種田山頭火 「行乞記」
...時々行乞しないと米塩にも困りますが...
種田山頭火 「雑記」
...米塩の供物が絶えませんでしたが...
豊島与志雄 「霊感」
...人民これがために苦しむの時、前面の敵、上杉謙信がこれを聞いて、武田に使を送って曰(いわ)く、吾と君と争うところのものは武勇にあって、米塩にあらず、南人もし塩を送らざれば北塩を以て君に供せん――といって価(あたい)を平らかにして信玄の国へ塩を売らしめたというのは、史上有名なる逸話であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...米塩に事を欠くほどに浮世離れはしていないのですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...其代り米塩(べいえん)の資に窮せぬ位の給料をくれる...
「入社の辞」
...三 夫婦相愛これより漸(ようや)く米塩(べいえん)の資を得たれども...
福田英子 「妾の半生涯」
...それに、一度本船を離れたが最後、何日も何十日も洋上に漂う覚悟がなくてはならないから、米塩、食糧品の類を人数に応じてボウトの包容し得る最大限度まで積み込まなければならない...
牧逸馬 「運命のSOS」
...あとはお母さんのお手でやれる左官材料米塩タバコすこしの肥料という風にしていらっしゃれば...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...芸道ニ精進シテ米塩ヲカヘリミズ...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...何ぞ米塩を用いんや...
吉川英治 「上杉謙信」
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