...彼はひとりでにガンベに誘いこまれた敷波楼の暖簾(のれん)を飛びこむようにして潜った...
有島武郎 「星座」
...その簾を片手に掲げて次の室へ往った...
田中貢太郎 「蛇性の婬」
...この縞はたぶん紙を漉(す)く時に繊維を沈着させる簾の痕跡であろうが...
寺田寅彦 「浅草紙」
...暖かい煙の這出(はひだ)して來る飯屋(めしや)の繩暖簾(なはのれん)の前には...
徳田秋聲 「絶望」
...簾戸(すだれど)ごしに見られた...
徳田秋声 「挿話」
...今の乱闘の現場――御簾(みす)の間(ま)――そこへ...
中里介山 「大菩薩峠」
...夏は窓に簾(すだれ)をかけ...
長谷川時雨 「勝川花菊の一生」
...奥へ続く暖簾の間から最前の女中二人...
正岡容 「寄席」
...喪の家として御簾(みす)に代えて伊予簾(いよす)が掛け渡され夏のに代えられたのも鈍(にび)色の几帳(きちょう)がそれに透いて見えるのが目には涼しかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...簾の間から町々を眺め...
室生犀星 「荻吹く歌」
...然らば簾は知己を千載の下(しも)に待つ外あるまい...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...場所は花やしきの一隅で、小座敷を添えた葭簀張り、赤毛氈(もうせん)の縁台、花暖簾に掛行灯、すべて時代離れのした風景...
山本笑月 「明治世相百話」
...中央に馬簾(ばれん)...
吉川英治 「新書太閤記」
...御簾(ぎょれん)のうちへ...
吉川英治 「親鸞」
...門(かど)から門(かど)へ浅黄暖簾(あさぎのれん)の裾(すそ)を覗(のぞ)いて歩く木刀や...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...そこの暖簾(のれん)をわけて入った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――やがて、暖簾のすそから、ぬっと、二つの眼が光った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...浅黄暖簾に“てんぷら...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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