...ヘルンの作の十分の一にも達しない極く簡潔なものであります...
稲垣巖 「父八雲を語る」
...簡潔な言葉の中に無限の人情の世界を現出させ少しもあせらずに單調に落着いて然し不思議な波瀾を生んでゆく數奇な運命を卷き起す筆の魔力には感嘆する日本人の書いたものはこんなものに比べると實に貧しい...
千家元麿 「自分は見た」
...あのすぐれた簡潔な筆致は...
田山録弥 「正宗君について」
...言語が聞き取れないために簡潔な筋のはこびが不明瞭(ふめいりょう)になる場所のあるのは惜しい...
寺田寅彦 「映画雑感(3[#「3」はローマ数字、1-13-23])」
...中にいろいろな対話が簡潔な含蓄のある筆で写されていたり...
寺田寅彦 「春寒」
...その時のタムソンの演説はさすがにレーリー一代の仕事に対する簡潔な摘要とも見られるものである...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...なるべく簡潔な筆づかいの小説を書き始めたところへ...
豊島与志雄 「戯曲を書く私の心持」
...芸術のうちでもっとも完全なもっとも簡潔なもっとも充実したものである...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...簡潔な深く落ち着いた声で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...「うん」と云う簡潔な返事がある...
夏目漱石 「虞美人草」
...また批評をしようとすれば複雑な関係が頭に明暸(めいりょう)に出てくるからなかなか「甲より乙が偉い」という簡潔な形式によって判断が浮んで来ないのであります...
夏目漱石 「中味と形式」
...簡潔な言葉で挨拶した...
久生十蘭 「キャラコさん」
...諸対象の継続した存在の簡潔な想定は...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...そしてさういふ簡潔な文章に依る描寫は...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...」宣言の簡潔な力強い文章のなかに...
宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
...美しさは簡潔なものと...
柳宗悦 「樺細工の道」
...一切を簡潔な単純な数少き線において示し去った...
柳宗悦 「民藝四十年」
...だから孔子の問答がきわめて簡潔な形を持つに対して...
和辻哲郎 「孔子」
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