...葦簀張(よしずばり)がぼんやりして...
泉鏡花 「悪獣篇」
...五年前に不遇の中に易簀(えきさく)してしまったが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...そこで簀子だけは取り替えて青くなっているというのであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...其傍の葭簀張(よしずばり)には...
田山花袋 「朝」
...厳師森夫子は千朶山房(せんださんぼう)に簀(さく)を易(こ)えたまい又莫逆の友九穂井上君は飄然として道山に帰りぬ...
永井荷風 「「麻布襍記」叙」
...日傘菅笠(すげがさ)相重(あいかさな)りて葭簀(よしず)を張りし見世物小屋(みせものごや)の間に動きどよめきたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...その辺(へん)に同じように葭簀張(よしずばり)の小屋を仕つらえた乞食芝居(こじきしばい)や桶抜(おけぬ)け籠抜(かごぬけ)などの軽業師(かるわざし)も追々に見物を呼び集めている処であった...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...溝際には塀とも目かくしともつかぬ板と葭簀とが立ててあって...
永井荷風 「寺じまの記」
...折からごそ/\と葭簀を片よせ其間から身を斜にして店の中へ入つたのは...
永井荷風 「にぎり飯」
...遂(しまひ)に彼(かれ)は後(うしろ)から燒(や)けた竹(たけ)を伐(き)つて來(き)て簀(す)の子(こ)のやうに横(よこた)へて低(ひく)い床(ゆか)を造(つく)つた...
長塚節 「土」
...橋の袂(たもと)の葭簀茶屋(よしずぢゃや)に...
夏目漱石 「虞美人草」
...葭簀(よしず)の影から見ると粘土(ねばつち)のへっついに...
夏目漱石 「坑夫」
...中へ入れろ」「へエ――」葭簀張(よしずばり)の水茶屋で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...簀戸(すど)を透して...
長谷川時雨 「紫式部」
...葭簀張(よしずばり)の店もなかった...
宮島資夫 「四谷、赤坂」
...簀(す)の子(こ)(縁)に垂るる卯の花の朝露...
吉川英治 「私本太平記」
...葭簀(よしず)の外にいる西瓜売りの又八へ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...時雨降る野口の簗の小屋に籠り落ち来る鮎を待てばさびしきたそがれの小暗き闇に時雨降り簗にしらじら落つる鮎おほし簗の簀の古りてあやふしわがあたり鮎しらじらととび跳りつつかき撓み白う光りて流れ落つる浪より飛びて跳ぬる鮎これおほきなる鯉落ちたりとおらび寄る時雨降るなかの簗の篝火翌朝は三人に別れて雨の中を船津町へ向った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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