...彼の筐底の古写真は体と不吊合に頭の大きい...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...この書簡が一葉の妹邦子さんの筐底にあつたことで...
伊庭心猿 「緑雨と一葉」
...死後の筐底(きょうてい)に残った無数の下画や粉本を見ても平素の細心の尋常でなかったのが解る...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...未成稿のまゝ筐底に殘つてゐたやうに思つて...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...大事に筐底(きょうてい)深く蔵して置いたほうが...
太宰治 「兄たち」
...謂(い)わば筐底(きょうてい)深く秘めたる作品があったので...
太宰治 「ろまん燈籠」
...一層筐底(きょうてい)深く蔵していたのであったが...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...かくて沈思黙考四日間の後私は黙々として筐底(きょうてい)深く蔵していた令嬢の日記と例の二枚の不可思議なるスケッチ板とを取り出した...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...わたしは何故久しく筐底(きょうてい)の旧稿に筆をつぐ事ができなかったかを縷陳(るちん)して...
永井荷風 「十日の菊」
...もう一度筐底(きょうてい)から取り出して...
野村胡堂 「楽聖物語」
...十四五枚未だに彼の筐底に残つてゐた...
牧野信一 「貧しき日録」
...未だ筐底に蔵めてゐる...
正岡容 「根津遊草」
...御免を蒙って其は私の筐底(きょうてい)ふかく蔵すことにいたしました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いく年かものにまぎれて筐底にひそみゐし舊詩二章...
三好達治 「一點鐘」
...これらの引札類は今も好事家(こうずか)の筐底(きょうてい)に蔵されているが...
山本笑月 「明治世相百話」
...今、古い筐底から、四花の古人を選んで、一瓶の書幀に挿してみた...
吉川英治 「剣の四君子」
...ふかく筐底(きょうてい)に秘めて...
吉川英治 「剣の四君子」
...ここを品よくいえば“いつか筐底(きょうてい)の古反古になん成りけるを――”というわけなんです...
吉川英治 「随筆 新平家」
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