...まるで筍(たけのこ)のように地上に生え並んでいるのです...
海野十三 「怪塔王」
...春蘭を掘り提(さ)げもちて高嶺の日三月五日景山筍吉(かげやまじゅんきち)招宴...
高浜虚子 「六百句」
...それは筍だ...
竹久夢二 「砂がき」
...庖厨の土室(どま)には年とった婢(じょちゅう)が筍(たけのこ)の皮を剥(む)いていた...
田中貢太郎 「春心」
...ぴよんぴよん赤蛙・あすは来るといふ雨の蕗を煮てをく(澄太さんに)・てふてふなかよく花がなんぼでも・てふてふとんで筍みつけた・晴れわたり蓮の葉のあたらしい色青葉へ錫杖の音を見送る(禅海坊に)・あるきまはつてふたゝびこゝへ桐の花(改作再録)七月二日眼がさめたら夜明けらしいのですぐ起きる...
種田山頭火 「行乞記」
...その一つは寒竹(かんちく)の筍(たけのこ)である...
寺田寅彦 「郷土的味覚」
...旬(しゆん)のきまつてゐる筍(たけのこ)だとか...
徳田秋声 「風呂桶」
...筍(たけのこ)の出さかりで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...またかの筍掘(たけのこほ)りが力一杯に筍を引抜くと共に両足を空様(そらざま)にして仰向(あおむき)に転倒せる図の如きは寔(まこと)に溌剌(はつらつ)たる活力発展の状を窺(うかが)ふに足る...
永井荷風 「江戸芸術論」
...どう云う因縁(いんねん)だろう」「あんまり下手だから一本負けたつもりだろう」「筍の真青(まっさお)なのはなぜだろう」「食うと中毒(あた)ると云う謎(なぞ)なんだろう」「やっぱり謎か...
夏目漱石 「虞美人草」
...切られたのは筍ではなくて...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...植木屋が筍(たけのこ)を抜(ぬ)いたといって怒られ...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...鍬をかついで筍を掘りに行くこともあつた...
牧野信一 「籔のほとり」
...奈良七重(ななえ)七堂伽藍(がらん)八重桜 芭蕉藪寺(やぶでら)や筍月夜(たけのこづきよ)時鳥成美(せいび)浦山や有明霞(ありあけがすみ)遅桜(おそざくら)羽人(うじん)などの作例もあるなり...
正岡子規 「俳諧大要」
...筍が竹になるのですかと不思議さうにいふて居た...
正岡子規 「墨汁一滴」
...師走筍(たけのこ)寒茄(かんなすび)...
南方熊楠 「十二支考」
...さうした折に筍がたべたい鯉がくひたい位は言ふ...
横瀬夜雨 「春」
...筍攸は、はっと、片手で口をおさえ、片手で頭をかいた...
吉川英治 「三国志」
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