...うなぎ屋は筋向うで...
岩野泡鳴 「耽溺」
...そして碌(ろく)でもない炭屋の亭主――義雄の家の筋向うだ――にくツ付いて見たり...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...柳やイタヤもみぢなどが青い葉を飾つて路傍に立ち並んでゐるその角は、ちひさい個人的な鐵工場で、その筋向うに、「北海實業雜誌社」といふおほきな看板が出してあつて、「島田氷峰」といふ表札が打つてあるのがそれである...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...つまり姉崎家の少し手前の筋向うに当る所に...
江戸川乱歩 「悪霊」
...わたしはその筋向うに腰かけていた...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...筋向うの右岸には...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...筋向うの辻番から...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...筋向うの辻番から...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今朝の話では、筋向うの、嬰児(あかんぼ)も、気管支で、今日中は持つまいと云う事だ...
羽志主水 「越後獅子」
...たか子の席は花聟花嫁が筋向うに見える...
林芙美子 「或る女」
...丁度その尼寺の筋向うに...
堀辰雄 「三つの挿話」
...けたたましくかう筋向うの三階から湧上がつて来た男の怒声...
正岡容 「東京万花鏡」
...その筋向うの二階家が...
松崎天民 「友人一家の死」
...不幸のあった米本の筋向うに...
松本泰 「秘められたる挿話」
...彼の筋向うの卓子で新聞を読んでいた男であった...
松本泰 「緑衣の女」
...長崎屋の筋向うの玩具(おもちゃ)屋の...
水上滝太郎 「山の手の子」
...家(うち)は笄町の神道本局の筋向うだ...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...まず筋向うの糊屋(のりや)の婆さん...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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