...聞いてゐる赤染衞門も和泉式部の僞りなき心の端々に思ひ至つてみると...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...聖徳太子を慕う痛恨な気持が端々に実によく出ているように思われ...
高村光太郎 「回想録」
...彼(女)はその日常生活の末々端々にいたるまで女子として行動し――そして売春婦として存在することによつて...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...女房、童の端々にまで、そのやうに人知れぬ厳粛のお心づかひをなさつて居られたほどのお方でございますから、幕府の御重臣や御家人を大事になさることもまた、ひとかたでなく、諸人ひとしくその厚いお恵みに浴し、このお若い将軍家になびきしたがふこと、萱野の風になびくさまにも似て、まことに山よりも高く海よりも深き御恩徳の然らしむるところとは言へ、その御勢力の隆々たるさまは、御父君右大将さまにもまさる心地が致しました...
太宰治 「右大臣実朝」
...その機嫌を損じまいと言葉の端々にまで気を配りながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...それから急に水温を高めてその端々に羽毛状の枝を付けて行けば良い...
中谷宇吉郎 「雪を作る話」
...……ちょっとした眼づかいの端々にも...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...宇津は注意深く老人を眺めながら、何の気もなく行ふ一つびとつの動作の中にも、言葉の端々にも、過去の生活が決して卑俗なものでなかつたに違ひないと思はれる、品位といつたものを発見した...
北條民雄 「間木老人」
...言葉の端々に大きな恨みがあった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...言葉の端々に苦痛と軽蔑が表れていた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...乱れ書きにした端々にまで人を酔わせるような愛嬌がこもっているこの片(ひら)以外の物はもう見ようともされないのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人の詞の端々に冷たい汗を掻かせられる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...一方には全国の端々にまで分布する昔からの地名との間に...
柳田国男 「海上の道」
...九州の端々には多いようで...
柳田国男 「海上の道」
...弘い国土の端々に亙(わた)って...
柳田国男 「海上の道」
...それでも国の端々には分布が少なく...
柳田國男 「垣内の話」
...どうか御容赦を」言葉の端々に滲み出る妻への愛情...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...疲れ切った神経の端々に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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