...併し大なる理想に堪へる心は又現實の卑さを端視するに堪へる心でなければならない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...鉛の塊のやうな鈍(にぶ)い悒鬱(いふうつ)がこの家の軒端まで漲つた...
有島武郎 「お末の死」
...その望みの一端が果されることとなった...
田中英光 「さようなら」
...治部殿はそれをお聞きなされて、一旦兵部殿を河内へお帰しなされましたが、堤の普請は餘人を以ても勤まるであろう、聚楽の方は殿下の御成を前にして手落ちがあってはならぬから、用意萬端、兵部が指図をするようにと、上意を伝えられまして、改めて都へお呼び寄せになったのでござりました...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...持っていた蝙蝠傘(こうもりがさ)の握りの端で門の呼(よ)び鈴(りん)のボタンを押した...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...わが父及び端嚴の母が...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...発端およそ百枚ばかり書いたのであるが...
永井荷風 「十日の菊」
...覗いたように折れた其端が笠の内を深くしてそれが耳の下で交叉して顎で結んだ黒い毛繻子のくけ紐と相俟って彼等の顔を長く見せる...
長塚節 「太十と其犬」
...その性質は異端者(いたんしゃ)のヘクトーよりも遥(はるか)に劣っていたようである...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...一面識もない人が時々書信又は絵端書抔(えはがきなど)をわざわざ寄せて意外の褒辞(ほうじ)を賜わった事がある...
夏目漱石 「『吾輩は猫である』上篇自序」
...默つて來るがいゝ」平次は池の端の江島屋へ待つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...同じ池の端のそばや田毎に置いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...川端画塾横の石屋のアパートに越して来てもう十日あまり...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...これも川端の家なり...
柳田国男 「遠野物語」
...褐色の肩掛の端を揉みくちやにしてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...同時に繩の右端から...
吉川英治 「江戸三国志」
...思い知らしておかぬことには」廊の端に...
吉川英治 「平の将門」
...あまり端(はし)ぢか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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