...豈四端(たん)の偏(へん)ありしものか...
佐藤一齋・秋月種樹(古香) 山田濟齋訳 「南洲手抄言志録」
...ほんの端役(フイギユラント)を勤めるだけだつた...
芥川龍之介 「文芸的な、余りに文芸的な」
...そこには華手(はで)なモスリンの端切(はぎ)れが乱雲の中に現われた虹(にじ)のようにしっとり朝露にしめったまま穢(きた)ない馬力の上にしまい忘られていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...潜かに人形の被の端へ片手を懸けたる折こそあれ...
泉鏡花 「活人形」
...そして中途半端の成功を望まなかつたので自虐に等しいと思はれるほど自分自身を責めさいなんだ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...受け取つた名刺を紙入れへ収めようとされた途端に...
谷崎潤一郎 「泉先生と私」
...そうしてそれを風呂敷に包んで一端(いっぱし)何か酬(むく)いられたような心持で...
徳田秋声 「新世帯」
...主人夫妻は彼女の友達の一人なる甲州の某氏から彼女に関する消息の一端を知ることを得た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...その途端に私は何かしら悪いことが起ったような感じがして...
中島敦 「虎狩」
...丈太郎は其の場に端坐しました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...それを取り集めて母屋の軒端にそっくり植えさせて水なども気をつけてやらせていたのだった...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...井戸端(いどばた)と私の窓との間には...
堀辰雄 「三つの挿話」
...端座をしてゐる彼の体は...
牧野信一 「貧しき日録」
...口端を舐(な)めずった...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...極端な場合の外はこんな残酷な方法に頼れなくなる...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...草川巡査の神経の端々を組んず...
夢野久作 「巡査辞職」
...六位ノ蔵人(くろうど)や殿上の端(はし)たちで...
吉川英治 「私本太平記」
...家々の中や軒端で酔っている車座もある...
吉川英治 「新書太閤記」
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