...窃かに土に葬り入れつゝあるマグダーレンが...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...私が林檎樽で彼の話を窃(ぬす)み聞きしたことは彼は知らなかったのだが...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...窃盗(せっとう)...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...いつも眞赤(まっか)になってゐる……其(その)姫(ひめ)の脣(くちびる)から永劫(えいがう)死(し)なぬ天福(てんぷく)を窃(そっ)と盜(ぬす)むことも出來(でく)る...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...誰やら脹脛(ふくらはぎ)を後から窃(そ)と押す者がある...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...吾等窃かに高山君の為に遺憾とする所なり...
登張竹風 「美的生活論とニイチエ」
...窃盗のために処刑された道化役者だった...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...この上は自分らの企画が無駄になった事よりも政府の大英断に向って心窃に謳歌した...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...心窃に苦笑したものもあったかも知れない...
西田幾多郎 「或教授の退職の辞」
...心窃(こころひそか)に喜んでいる...
新渡戸稲造 「自警録」
...窃(ひそ)かに考えるようになった...
原民喜 「翳」
...旨(うま)く大金を掠(かす)め取れば心窃(ひそか)に誇(ほこっ)て居るとは...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...窃(そッ)と其方角を観る...
二葉亭四迷 「平凡」
...最近にとなりの領地で殺人や窃盗をもって告訴されたジプシーの一団を捕縛して...
エルンスト・テオドーア・アマーデウス・ホフマン Ernst Theodor Amadeus Hoffmann 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...地蔵は飛脚の弁当から窃取した海苔巻鮨をそのまゝ巻物の一巻に擬して口に咬へ仁木よろしくの引込となるなど...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...ここな文壇の剽窃犯人(どろぼう)ここに一つ附記せねばならぬ事がある...
宮武外骨 「一円本流行の害毒と其裏面談」
...私はしばらくすると私自身の腹の中に窃(そっ)と聞耳(ききみみ)を立てるように...
室生犀星 「童子」
...お槙の指環を窃盗(せっとう)した真犯人が...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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