...おかみさんは裏口へ入らつしたときに小蔭に彳(たたず)んで窃(そつ)とかう仰つた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...窃盗(しのび)……悪事ときたら何でもござれの...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...桃を窃んで来たなら...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「偸桃」
...窃(ひそ)やかな話声が籠つてゐた...
徳田秋声 「のらもの」
...窃(そっ)と拳(こぶし)の中のものを移した...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...余は窃(そ)と廊下(ろうか)伝(づた)いに書院に往って...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...仲間の作品から剽窃(ひょうせつ)し...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...窃(ひそか)に思うにわたくしの父と母とはわたくしを産んだことを後悔(こうかい)しておられたであろう...
永井荷風 「西瓜」
...こんな無造作な主人であるから居るのにちつとも心おきがなくていゝと思ふと窃にうれしかつた...
長塚節 「濱の冬」
...やっぱり窃られたんですと云った...
夏目漱石 「永日小品」
...十八歳未満が、窃盗二人、嬰児(えいじ)殺し一人...
林芙美子 「新生の門」
...とうとう窃盗かなにかで捕まり...
久生十蘭 「悪の花束」
...その時私も窃(ひそか)に聞きました...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...先ずその地を志し窃(ひそ)かに出立(しゅったつ)の用意をなすほどに...
福田英子 「妾の半生涯」
...彼は単の窃盗(せっとう)にしてしかも終身刑を受けけるなり...
福田英子 「妾の半生涯」
...ここで起きた窃盗の件だよ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...お登和嬢も窃に胸を撫下(なでおろ)したり...
村井弦斎 「食道楽」
...われ又窃におもへらく...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
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