...それぢやア駄目だよと云つて思ひがけぬ處に他の一怪が頭を波の上に突き出す...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...やっと父親の立っている足許に鋤簾の先端を突き出すと...
犬田卯 「米」
...獅子鼻の鼻糞の附いている鼻を前へ突き出すようにした...
田中貢太郎 「放生津物語」
...下へ持ってって下さいと青江の前に突き出すと...
豊田三郎 「リラの手紙」
...それから改めて突き出すつもりなんだか...
中里介山 「大菩薩峠」
...女の眼の前に突き出すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...物売女の方へ突き出すと...
中里介山 「大菩薩峠」
...余が監督官は巡査の小言に胆(きも)を冷したものか乃至(ないし)はまた余の車を前へ突き出す労力を省(はぶ)くためか...
夏目漱石 「自転車日記」
...自分の顔を無遠慮に突き出すのは...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...もう一度突き出すと...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...そこは大川へ突き出すやうに花火見物の棧敷(さじき)ができてゐて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...かすかな光線でもとらえようと思って眼を眼窩(がんか)から突き出すようにしながら...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「落穴と振子」
...突き出すようにしただけだった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...冷(つ)めたい空気の中へ頭を突き出すと同時に...
夢野久作 「木魂」
...彼は私のステッキを前に突き出すやうにして兩手を支へながら...
横光利一 「榛名」
...足元へ突き出すまで...
吉川英治 「江戸三国志」
...本陣の東福寺へ突き出すと...
吉川英治 「新書太閤記」
...発育ざかりの弟や妹が次々に茶碗を突き出す様子は...
吉田甲子太郎 「秋空晴れて」
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