...大勢は日を經るに順ひ漸次靜穩と爲り...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...兄(あに)じやに見着(みつ)かつた上(うへ)からは安穩(あんのん)に村(むら)には居(を)られぬ...
泉鏡太郎 「一席話」
......
伊良子清白 「孔雀船」
...大小數十の島、島として松を戴かざるはなく、松島の景、奇にして穩也...
大町桂月 「金華山」
...此寂寞たる冬籠のうちに三藏の心の底に穩かならぬ或考へが萌して來た...
高濱虚子 「俳諧師」
...姫(ひめ)さへ安穩(あんのん)なら何事(なにごと)も大事(だいじ)ないわい...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...然れども露國は滿洲の情形不穩にして鐵道保護の必要ありと稱して...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼はそれ程穩かな生れた儘の眞直な性質の人間であります...
長塚節 「白瓜と青瓜」
...このまゝ安穩に暮せるものを...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この穩當で人柄な老人に逢つて見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...安穩に隱されて居るとわかりました」「それなら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...穩(おだ)やかに...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼の樣子から私が豫期してゐたよりは穩(おだ)やかに彼は云つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...彼の心を少しも惹かない――人世の穩(おだ)やかな慰樂も何の魅力もないのである...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...穩(おだ)やかで...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...私が消えたので黒田組と國友たちの連中との間の紛爭は割に平穩になつていたが...
三好十郎 「肌の匂い」
...長い間、氷河の下で、空氣と光りとを缺いてゐた水が、日光と天空との洗禮を受けるために、或る一ヶ處に集つて、その平らかなる表面を靜かに、穩かに、露出して、思ふまゝに光と空氣を吸入する...
吉江喬松 「山岳美觀」
...行年廿三才平穩なる休息彼と共にあれ!氷島はその小さな共同墓地と共に彼女の眼前に浮び上つた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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