...穏やかなリズムを立てて寄せ返す海べの波の中に溶けこむように注いでいた...
有島武郎 「或る女」
...胸の波さへ穏やかなる安心の蓮台(れんだい)に休らふを得るに至れる也...
石川啄木 「閑天地」
...まことに静かに穏やかな夜だ...
伊藤左千夫 「春の潮」
...あるにはあったであろうが今よりもっと変った形のもので存在していて――ほとんど潮流とも言えないくらいの穏やかな形で...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...穏やかな、いつもの顔に、戻っているのです...
橘外男 「仁王門」
...実に静かな穏やかな朝であった...
寺田寅彦 「浅草紙」
...日輪の車の馬のように猛(たけ)り立ちながらも主人の穏やかな手に御せられてる生命の...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...穏やかな驚きに満たされました...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...戦争や恋愛ばかりではなく、はげしいもの、異様なものは、なにによらず山川の敵なので、たとえば恋愛にしても、血統や、家柄や、穏やかな家族や、趣味のいいサロンや、洗煉された会話や、節度のある作法などの背景無しでは考えられない山川が、どこの馬の骨ともわからぬ混血娘(あいのこ)などと、焼跡の野天をほっつきまわるなんてことがあろうはずがない...
久生十蘭 「蝶の絵」
...見ると自分はいつものように帝国ホテルの自分の寝台の穏やかな風景の中にいる...
久生十蘭 「魔都」
...何か穏やかならぬ噂でも立つことがあると...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...穏やかな気候ほど嬉しいものはないが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「四日闇夜」
...穏やかな航海が続いた...
松本泰 「謎の街」
...あるおとなしい・人づき合いのきわめて穏やかな・人が彼の夕食のお相伴をした時のことであるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いかにも穏やかな温かそうな笑い顔で...
山本周五郎 「菊千代抄」
...あまりに穏やかな眼にであうと...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それでもできるだけ穏やかな調子で...
山本周五郎 「山彦乙女」
...奈良とはまた異なった穏やかな景色で...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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