...稜威(いつ)の雄(を)たけびを発しながら...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...二十分で手近き山稜...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...多稜形(たりょうけい)をした外面が黒く緻密(ちみつ)な岩はだを示して...
寺田寅彦 「小浅間」
...見る度に六稜柱の壁はだんだんに延びて行くようであった...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...あるいは六面体八面体十二面体の面や稜(りょう)に字句を配置してそれをぐるぐる回転するとかいうところまで行ってはどうかと思うのである...
寺田寅彦 「俳句の型式とその進化」
...それに、何んぞや、父の墓参? わしへの礼? 左様の世上凡俗の習慣を、訣別の大事と心得ているようで、生死を越えての覚悟がついておると思うか? 死の覚悟とは、心を極め、天命を知り、一切有為世界の諸欲を棄て、天地微塵となるとも、聊(いささ)かも、変動しない、この心が、剣刃上の悟りではないか――剣刃上を行き、氷稜上を走る、階梯を渉らず、懸崖に手を撒(さっ)す、この危い境地をくぐって、小太郎、この四明の上に於て、まさに、剣刃上を行き、懸崖を走りながら、未だ、世上煩悩を棄てきれぬか」小太郎は、手をついて、だんだん頭を下げて行った...
直木三十五 「南国太平記」
...なんとなく稜々たる気骨の犯し難きものを...
中里介山 「大菩薩峠」
...故に圭角稜々巉々として巨人の如きあり...
長塚節 「草津行」
...それが峯を去って山稜の低所に来ると...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...何事だったのですか」鼻稜(はなすじ)を白(しら)ませて資子がたずねたが...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...こっちへ!」古物のなかから三稜剣をぬきだして右手に握ると...
久生十蘭 「金狼」
...陛下の御稜威(みいつ)に謝しまつり...
平田晋策 「昭和遊撃隊」
...相変らずのクラストの雪稜をぐーっと急角度に左に曲ると...
松濤明 「春の遠山入り」
...ベゴ石は、稜がなくて、丁度卵の両はじを、少しひらたくのばしたような形でした...
宮沢賢治 「気のいい火山弾」
...亀田表は亀田村五稜廓である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...五稜廓に引き返した日である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...屹立せる、稜角ある岩の頂...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...彼はふとパリのノートル・ダムで繊細巧緻な稜線の複合した塔の姿を見たときに...
横光利一 「旅愁」
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