...稗史(はいし)だそうだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...『牡丹燈籠』は『書生気質』の終結した時より較(や)やおくれて南伝馬町の稗史出版社(今の吉川弘文館の横町)から若林蔵氏の速記したのを出版したので...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...稗史者流、殊に宗吾の事に附會して、漫りに蜃氣樓をかまへ、正信の眞相、長く埋沒せむとす...
大町桂月 「宗吾靈堂」
...稗史に見えたる鎮西八郎為朝は...
高木敏雄 「比較神話学」
...曲亭馬琴その稗史に於て...
高木敏雄 「比較神話学」
...魯文かだれかゞ中本式の稗史(よみほん)に縮めた『八犬伝』であつたかと思ふ...
坪内逍遥 「十歳以前に読んだ本」
...その後(ご)文化の初め数年に渉(わた)りては専(もっぱら)馬琴(ばきん)その他の著作家の稗史(はいし)小説類の挿絵を描き...
永井荷風 「江戸芸術論」
...博文館が帝国文庫という総称の下に江戸時代の稗史(はいし)小説の復刻をなし始めたのはその頃からであろう...
永井荷風 「十六、七のころ」
...あらゆる小説稗史よりも面白い...
中里介山 「大菩薩峠」
...大岡様も伝説稗史(はいし)に従えばなかなかにやったものらしい...
野村胡堂 「江戸の昔を偲ぶ」
...一部の稗史(はいし)などに伝えられて居ります...
野村胡堂 「古城の真昼」
...あるいは稗史(はいし)でよく知っている...
長谷川時雨 「朝散太夫の末裔」
...「今や報讐(かたきうち)の稗史(そうし)世に行われて童児これを愛す...
林不忘 「仇討たれ戯作」
...かへつて幼時一読せし稗史(はいし)小説の永く忘られざるにても知るべし...
正岡子規 「病牀譫語」
...クラウストンの『俗談および稗史(はいし)の移動変遷』二巻一六六頁以下に詳論あり...
南方熊楠 「十二支考」
...支那文学の影響も稗史(はいし)小説...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...稗史小説も追い追い明治物が新刊され...
山本笑月 「明治世相百話」
...甞て稗史小説の予約出版を業とする東京稗史出版社の社員来って曰く...
若林※[#「王+甘」、第4水準2-80-65]藏 「怪談牡丹灯籠」
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