...「朝顔に急がぬ膳や残り客(きやく)」「ひそひそと何料理(れう)るやら榾明(ほたあか)り」「初秋の心づかひや味噌醤油」「大事がる馬の尾づつや秋の風」「落栗(おちぐり)の座をさだむるや窪(くぼ)たまり」(初めて伊那に来て)「鬼灯(ほほづき)の色にゆるむや畑の縄(なは)」等...
芥川龍之介 「雑筆」
...秋の風らしいのが吹き出してゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
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高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
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種田山頭火 「行乞記」
...爽やかな輕い初秋の風が習々と輕いセルの袖を吹いた...
近松秋江 「箱根の山々」
...星落秋風五丈原(一)祁山悲秋の風更けて陣雲暗し五丈原零露の文は繁くして草枯れ馬は肥ゆれども蜀軍の旗光無く鼓角の音も今しづか...
土井晩翠 「天地有情」
...春光臺腸(はらわた)斷(た)ちし若人を偲びて立てば秋の風吹く余等は春光臺を下りて...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...種彦は何という訳もなく瓦(かわら)焼く烟(けむり)も哀れに橋場今戸(はしばいまど)の河岸に立初(たちそ)める秋の風情の尋ねて見たく...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...魚とるためなり彦根城廓内鵯の晴を鳴く樹のさや/\に葛も薄も秋の風吹く天主閣にのぼる名を知らぬ末枯草の穗に茂き甍のうへに秋の虫鳴く夕...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...もう秋の風が肌に寒い頃だったがふと或(ある)晩...
沼田一雅 「暗夜の白髪」
...初秋の風に竹がサラサラ鳴る暁...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...初秋の風が吹き流れる...
火野葦平 「花と龍」
...秋の風きたる十方玲瓏に空と山野と人と水とにいふをやめよ...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...うー戸外を晩秋の風が...
三好十郎 「樹氷」
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三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...山里の松の蔭(かげ)にもかくばかり身にしむ秋の風はなかりき過去の悲しい夢は忘れたのであろうか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...やがて秋の風に黄金の穂が波うつ時が来ると...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...糺(ただす)の森をこしてくる初秋の風がさざ波を立てている……...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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