...軟かい岩石と硬い岩石とによって程度の差がある筈である...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...女の軟弱な肉を振り捩斷(ちぎ)るやうに掴み占める時の無殘さが...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...それだから海軟風の吹く前には...
寺田寅彦 「夏の小半日」
...ブラ下げた長い長い二本の縄(なわ)の脚(あし)を軟(やわ)らかに空中に波うたして...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...浄瑠璃を聞くやうな軟い情味が胸一ぱいに湧いて来て...
永井荷風 「雪の日」
...吐いて吸う軟(やわ)らかな女の寝息...
中里介山 「大菩薩峠」
...は」それは軟らかく白い手首の女の声ではない...
中里介山 「大菩薩峠」
...何時か快い海軟風の中へと融け去つて...
中島敦 「環礁」
...さうだ軟(やつ)けえ面(つら)で風(かぜ)吹(ふ)く處(とこ)歩(ある)けるもんぢやねえ」爺(ぢい)さんはむきに成(な)つていつた...
長塚節 「土」
...更(さら)にじめ/\と霧(きり)のやうな雨(あめ)が斜(なゝめ)に降(ふ)り掛(か)けては軟(やはら)かに首(くび)を擡(もた)げはじめた麥(むぎ)の穗(ほ)の芒(のげ)に微細(びさい)な水球(すゐきう)を宿(やど)して白(しろ)い穗先(ほさき)を更(さら)に白(しろ)くして世間(せけん)が只(たゞ)濕(しめ)つぽく成(な)つたかと思(おも)ふと...
長塚節 「土」
...足の爪も短くて軟かいから...
ジョナサン・スイフト Jonathan Swift 原民喜訳 「ガリバー旅行記」
...軟弱」王の遺骸は黒樫の棺槨におさめ...
久生十蘭 「泡沫の記」
...それを廢さうと思つてもなし得ない軟弱な人間にすることも出來るのである...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「印度の婦人へ」
...それからその居間に引いてあった軟障(ぜじょう)までも御はずしになり出していた...
堀辰雄 「かげろうの日記」
...万年筆の中でオノトが一番ペン先が軟かなのですってね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鍋島(なべしま)の藍絵等は軟弱であって支那の染附(そめつけ)に向っては太刀打ちができない...
柳宗悦 「工藝の道」
...柔軟な躯をぴったりと彼にすり寄せた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...どのような訓練の賜物か日本人にはこの柔軟性が伝統の中に残っていて...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
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