...――「余幼少より生質軟弱にあり...
芥川龍之介 「僻見」
...軟らかい牧草の葉がうら若いバッカスの顔の幼毛のように生え揃い...
有島武郎 「フランセスの顔」
...畸形児は不気味な軟体動物の様に...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...「時には飛んでいたのが軟い雪のなかに突っこみ...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...確に軟(やわ)らかなものゝ手答(てごたえ)がする...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...いつか快い海軟風(かいなんぷう)の中へと融け去って...
中島敦 「環礁」
...青菜は軟かに見えるけれどそれがどうしてもさびた冬の色である...
長塚節 「教師」
...彼は健(すこや)かに軟風(そよかぜ)の云ふを聞けば...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集≪学校時代の詩≫」
...この世紀とは軟弱なもんだな」ウージェーヌは手形にサインして紙幣と交換した...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...今度は軟かで坐り心地が羽蒲団のやうだ...
ボレスラーフ、プルース 二葉亭四迷訳 「椋のミハイロ」
...チキン・アラキング軟くてうまい...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...その直根は軟くて甘味を含み...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...柔軟で自分の活々とした働きをたのしむように根気よく...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これとても竹を煮て軟かくするという噂と同様に...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...しっとりと軟らかい弾力を...
山本周五郎 「つばくろ」
...すべて軟派物は草子類...
山本笑月 「明治世相百話」
...徳川幕府が江戸に於ける軟文学の流行をそれとなく奨励したことである...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...朝(ちょう)に上っても、柔軟な公卿を、その小柄で下に見る風があるので、見られる者は何となく、(威張りおる)と、反感を挑(いど)まれる...
吉川英治 「源頼朝」
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