...きびしい非情の内側からあるともなしに匂ふものがあの神韻といふやつだろ...
高村光太郎 「智恵子抄」
...室町時代の能面のような幽玄微妙な神韻を創生するに至った事実はわれわれにとって無上の教訓となる芸術上の恐ろしい約束である...
高村光太郎 「美の日本的源泉」
...われも亦願はくはこの山中の神韻に觸れて...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...その発句の神韻(しんいん)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...この種の筆墨に物外(ぶつがい)の神韻(しんいん)を伝え得るものははたして幾人あるか知らぬ...
夏目漱石 「草枕」
...正にこの神韻を摸してこれを俗化せるものなり...
萩原朔太郎 「蒲原有明に帰れ」
...神韻縹渺(ひょうびょう)たる音楽である...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...彼の作品に神韻(しんいん)ともいうべき風格を欠如させている理由でもある...
平林初之輔 「江戸川乱歩」
...千篇一律(せんぺんいちりつ)風致(ふうち)なく神韻(しんいん)を欠くを以て...
福田英子 「妾の半生涯」
...まことに神韻縹渺としてゐる...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...それにしてもソノ画ク所花卉(かき)毛(れいもう)山水人物悉(ことごと)ク金銀泥(きんぎんでい)ヲ用ヒテ設色スルニ艶(じょうえん)妍媚(けんび)ナラザルハナク而モ用筆(ようひつ)簡淡(かんたん)ニシテ一種ノ神韻(しんいん)アリとあるが如き余り杜撰(ずさん)なるべし...
正岡子規 「墨汁一滴」
...ギリシア美術の天来の神韻の一つだといわれ...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...しかもギリシアのごとき神韻はついに得られなかった...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...神韻縹緲(ひょうびょう)たるしらべにいたっては...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「李広」と云う外国人の巻物「山水図」は大作で真に神韻縹渺(ひょうびょう)と云う気が全幅に溢れていた...
山本周五郎 「青べか日記」
...あとから考えると誠にユッタリした神韻縹渺たる感じが今に残っている...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...いかにも神韻(しんいん)のある詩的文字だが...
吉川英治 「三国志」
...その神韻(しんいん)を感じるにつけ...
吉川英治 「宮本武蔵」
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