...まず鼓膜が破れないように...
芥川龍之介 「上海游記」
...殆(ほとん)ど肌も蔽はない薄墨色(うすずみいろ)の破れ衣(ころも)と云ひ...
芥川龍之介 「東洋の秋」
...裾のあたりの破れ目へ違つた紙がべつたり貼つてあるのが目についた...
鈴木三重吉 「赤い鳥」
...今又最後に病魔と惡戰苦鬪をして破れつゝあるのであつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...天地も破れんばかりに鳴る...
橘外男 「雷嫌いの話」
...自然主義の論理上の體系――懷疑論者は斯ういふ言葉を嫌ふかも知れぬけれども――は之に由て一時破れるかも知れぬ...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...破れ目を押えました...
豊島与志雄 「お山の爺さん」
...わしらの企てが破れたなら...
直木三十五 「南国太平記」
...右の手の傷がヒリリと痛んだために夢が破れた竜之助は...
中里介山 「大菩薩峠」
...一ヶ所破れて居て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それに破れれば現世に生きる意義を見出せないとまでいっている...
長谷川時雨 「遠藤(岩野)清子」
...鐘破れ瑕(きず)つけり...
南方熊楠 「十二支考」
...上手奥の隅の天井が破れてポッカリと黒い大きな穴があき...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...私の破れた帽子や靴をも愛してゐる...
三好達治 「測量船拾遺」
...立ち昇る煙を見詰めながらだんだんと悦(よろこ)びの色に破れて来た...
横光利一 「日輪」
...しかし家々の破れ戸から覗き見していた庶民たちはかえってほっとしたような色でもあった...
吉川英治 「私本太平記」
...破れる気づかいはありませぬ...
吉川英治 「神州天馬侠」
...戦に破れた落人(おちゅうど)どもが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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