...鳥が狂女の敷いていた破れた蒲団の羽毛(はね)で巣をつくったのであろう...
モオパッサン 秋田滋訳 「狂女」
...靴は破れ足から血がにじんでいました...
アミーチス 日本童話研究会訳 「母を尋ねて三千里」
...かの破れたる帽子の下に宇宙は包まれてありと...
石川啄木 「閑天地」
...破れたる壁は蔓蘿(つたかずら)に縫はれ...
巌谷小波 「こがね丸」
...鳥渡(ちょっと)、手軽にはゆくまいな」「輪形陣(りんけいじん)が、破れまいと、確信しているところが、こっちの附け目さ...
海野十三 「空襲葬送曲」
...破れた座蒲団に悪びれず大あぐらをかいて...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...同時に物質確定の世界と生命の不定世界との間にそびえていた万里の鉄壁の一部がいよいよ破れ始める日の幻を心に描くことさえできるような気がしたのである...
寺田寅彦 「野球時代」
...(障子の破れからのぞき)ちえッ...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...硝子(ガラス)は破れたかも知れませんが...
浜尾四郎 「死者の権利」
...この恋愛に破れた時は...
林芙美子 「新版 放浪記」
...二重ゴムなら手紙が破れません...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...猫は最早障子の破れ目から縁側へ飛び下りて啼き聲を立てゝゐた...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...ひとりでに内側から破れるであろう...
夢野久作 「卵」
...破れた蜘蛛の巣を潜(くぐ)って森の中へ馳け込んだ...
横光利一 「日輪」
...蕭々(しょうしょう)、帆は破れ、船は傾き、魏の船団は一つ一つ崩れだした...
吉川英治 「三国志」
...内も破れ外も乱脈だ...
吉川英治 「私本太平記」
...垢(あか)じみた破れ直垂(ひたたれ)一枚で...
吉川英治 「源頼朝」
...わしの臓腑がことごとくはじけ破れたからじゃ...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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