...久さんは対山館から持参した破れ雨傘の骨を削って一本に四羽ずつさし込むのであった...
石川欣一 「可愛い山」
...紙の破れた障子二枚によつて此室と生徒控処とを区別したもので...
石川啄木 「雲は天才である」
...直ぐ横の破れた襖を開けて中を覗いた...
石川啄木 「鳥影」
...彼は破れたポケットの中から四文銭を掴み出した...
魯迅 井上紅梅訳 「孔乙己」
...おそらく、皮膚が破れて、血が流れたことであろう...
江戸川乱歩 「影男」
...後頭をがんと破れるように殴ぐられ...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鳩つかひ」
...彼の推測はことごとく破れてしまった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...裳(も)は破れ裂け...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...かくて、いったん、破れた夢が、またあけ方まで無事に結び直されましたが、日の光、鶏の声が戸の隙から洩(も)るるを見て、兵馬は立って、一枚の雨戸を繰ると、満山の雪と見たのは僻目(ひがめ)、白いというよりは痛いほどの月の光で、まだあけたのではありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...破れた笛を吹き続けるような...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...皮が破れているのに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不思議に破れてしまうからだ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...両舷から、焚料炭を積みこむのであるから、平衡が破れると、船は傾斜してしまう...
火野葦平 「花と龍」
...破れたポケツトに両手を突込むでポツネンと試験場へ入りました...
牧野信一 「辞書と新聞紙」
...頭へ古い手拭を乗せた婆さんが破れ三味線かき鳴らして軒に立つのも同じやうな冬の夜が多かつた...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...大々失敗をやらかして頻(しき)りに紙の破れ尽(つく)すまでもと磨り消したがそれでも追付かぬ...
正岡子規 「病牀六尺」
...窓の破れ戸の隙間が赤く見えた...
吉川英治 「親鸞」
...その恋ざめや破れから出家する男女を...
吉川英治 「随筆 新平家」
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