...平門の柱石はかくの如くにして砕けたり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...同時に地軸(ちじく)も砕けたような...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...壊れたり砕けたりしながら山盛りになって地面に散らばった...
有島武郎 「卑怯者」
...砕けた浪の白(しらあわ)は...
石川啄木 「漂泊」
...私は此頃自から省みて『私は砕けた瓦だ』としみじみ感ぜざるをえないようになった...
種田山頭火 「砕けた瓦」
...静かな波が日影と共にキラ/\と櫂に砕けた...
田山録弥 「アンナ、パブロオナ」
...出水のためにいくらかは濁つてはゐるけれども、それでも谷川らしい感じを失はない水は、大きな岩に当つては砕け、当つては砕けた...
田山録弥 「山間の旅舎」
...丁度その時又涙がぽたりと落ちて皿の中で砕けた...
豊島与志雄 「蠱惑」
...頼みましたよ」お松は砕けた絵馬の風呂敷を取りに来ながら...
中里介山 「大菩薩峠」
...三十五その夜、再び鈴木安芸守をたずねると、鈴木は、客間に杯盤を設けて、打ちくつろいで神尾を迎えたが、その座上に連なる二三子というのも、意外に皆、打砕けた気風で、御家人もあるが、いささか伝法な肌合いもあるが、幸いに神尾を見知っている者は無く、鈴木もまた、神尾の何者であるかを説明せずして、同じく待遇したものですから、場所がらと役目に似合わず、打解けた会合ぶりでありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひろい皿が投げすてられ、大きな音を立てて、微塵に砕けた...
火野葦平 「花と龍」
...うしろの壁にあたって微塵に砕けた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...「砕けたタムラン」を読んだ...
山本周五郎 「青べか日記」
...板張が砕けたかと思った...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...どんな生木も巨象にヘシ折られたように肌を裂いて砕けた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...脳骨が砕けたことは当然だろう...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...左の太股(ふともも)か腰部の骨は砕けた筈である...
吉川英治 「宮本武蔵」
...土間の隅柱に当って一箇は砕けたが...
吉川英治 「宮本武蔵」
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