...礼之進の痘痕(あばた)は砕けた...
泉鏡花 「婦系図」
...続いて新任の挨拶のときに一寸変つた如何にも砕けた気どらない様子であつさりとした話し振りや教師らしい処などのちつともない可なりいゝ感がした...
伊藤野枝 「惑ひ」
...すなわち砕けたる心...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...熔岩の細かく砕けた原をまっすぐに...
田畑修一郎 「石ころ路」
...霜柱がざくりざくりと砕けた...
豊島与志雄 「特殊部落の犯罪」
...グラスは下に落ちて砕けた...
豊島与志雄 「南さんの恋人」
...もう少し砕けたのをお聞かせ下さいな」「お前に聞かせるつもりで...
中里介山 「大菩薩峠」
...写ると見れば砕けたる...
夏目漱石 「薤露行」
...石さえも焼けて砕けた...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...砕けた花片(はなびら)のように桜子の膝を埋めます...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...そして、困ったことには、その胸が痛く、なおより悪いことは、砕けた左の足が、ともすればダラリと下がって、雪の中をひきずるのであった...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...屋根から墜ちて砕けた緑色の唐瓦が...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...博士のこの砕けた態度は常人のまねられぬところであった...
平林初之輔 「作家としての小酒井博士」
...小六の強刀に骨も砕けたかと思われて...
吉川英治 「剣難女難」
...どんな生木も巨象にヘシ折られたように肌を裂いて砕けた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...脳骨が砕けたことは当然だろう...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...頭蓋骨が砕けたかと思うほどこたえる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...左の太股(ふともも)か腰部の骨は砕けた筈である...
吉川英治 「宮本武蔵」
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