...我木曾冠者義仲が其燃ゆるが如き血性と、烈々たる青雲の念とを抱いて何等の譎詐なく、何等の矯飾なく、人を愛し天に甘ンじ、悠然として頭顱を源家の呉児に贈るを見る、彼が多くの短所と弱点とを有するに関らず、吾人は唯其愛すべく、敬すべく、慕ふべく、仰ぐべき、真個の英雄児たるに愧ぢざるを想見せずンばあらず...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...更に矯飾僞善の色さへ加はつてゐるのは如何したものであらう...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...この男の前では思わず知らず心にもない矯飾(きょうしょく)を自分の性格の上にまで加えた...
有島武郎 「或る女」
...矯飾(きょうしょく)もなく...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...而かも何等の矯飾なく暴露してゐる...
有島武郎 「水野仙子氏の作品について」
...矯飾らしい点はすこしも見えなかった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...矯飾の徒にあらず...
トゥルゲニエフ Ivan Tourguenieff 上田敏訳 「一僧」
...矯飾が伴いがちの修養のない点において...
津田左右吉 「日本歴史の特性」
...時には偶像としての自己を壇上に置いて私達を冷(ひやや)かに見降さうとする矯飾的態度さへ現した...
南部修太郎 「猫又先生」
...今の様に矯飾(きょうしょく)はしなかった...
二葉亭四迷 「平凡」
...公辺に向つての矯飾であつただらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...矯飾(きょうしょく)して言ったわけではなかったらしい...
森鴎外 「雁」
...矯飾して言ふのではない...
森鴎外 「追儺」
...矯飾して、それが何の用に立つものか...
森鴎外 「追儺」
...矯飾(きょうしょく)をしていないかという疑問が直ぐに伴って来る...
森鴎外 「Resignation の説」
...即ち自己のために自己を矯飾しているのかも知れない...
森鴎外 「Resignation の説」
...一つは男に甚(ひど)く女の醜い所を見せまいという矯飾の心...
与謝野晶子 「産屋物語」
...この方には割合に矯飾が行われずに真率に女性の感情が出ております...
与謝野晶子 「産屋物語」
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