...其処の岩鼻は直下数百尋(ひろ)の渓谷を瞰下する断崖の頂きで岩は一面に微細な青苔に蔽われている...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...例の港を俯瞰(みおろ)す部屋で麗(うらら)かな朝暾(あさひ)を浴びながらモネス探偵と向い合っていた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...もう少し便利な港でも向う側に俯瞰できるのではないか? といったような...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...遥(はる)かの眼下に小さく俯瞰(ふかん)されます...
橘外男 「棚田裁判長の怪死」
...畑の景色を瞰(み)おろしながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...高い所から彼の泣き喚く姿を瞰おろしてやろう...
谷崎潤一郎 「二人の稚児」
...軸物の大俯瞰圖のする/\と解けて落ちる樣に...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...京都を瞰下(みおろ)したんだから...
夏目漱石 「虞美人草」
...運動に供せんため自ら室内操櫓器(そうろき)と名(なづ)くる者を携え行きたりしが室内狭くしてしばしばこれを用ゆること能わざりし)故に僅かに狭少なる(まど)によりて下界を瞰下(みおろ)し...
野中到 「寒中滞岳記」
...北海道屯田兵団長永山武四郎(ながやまたけしろう)が自分で嵐山と名づけた郊外山塊の一角から旭川を俯瞰しながら...
服部之総 「望郷」
...悠然と一同を瞰下ろしてゐた...
原民喜 「小さな村」
...鳥瞰図の一個所にはそんな誌がついてゐた...
牧野信一 「円卓子での話」
...時事漫画に久夫でも描きそうな野球試合鳥瞰図があると思うと...
宮本百合子 「高台寺」
...きょうは「今日の文学の鳥瞰図」を唯研に送り...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...他日飛行機上から瞰下する折があれば知らぬこと...
吉江喬松 「山岳美觀」
...甲府盆地を鳥瞰(ちょうかん)したように知ってみると...
吉川英治 「江戸三国志」
...西蜀四十一州の大鳥瞰図(だいちょうかんず)を...
吉川英治 「三国志」
...対岸の小倉市外の山から地形を俯瞰(ふかん)したり...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索