...竹山の眼には機敏な觀察力が、瞬く間閃いた...
石川啄木 「病院の窓」
...美しい藤野さんの顔が瞬く間暗い翳に掩(おほ)はれるのであつた...
石川啄木 「二筋の血」
...僧都 (苦笑す)若様には、新夫人(にいおくさま)の、まだ、海にお馴(な)れなさらず、御到着の遅いばかり気になされて、老人が、ここに形を消せば、瞬く間ものう、お姿見の中の御馬の前に映りまする神通(じんずう)を、お忘れなされて、老寄に苦労などと、心外な御意を蒙りまするわ...
泉鏡花 「海神別荘」
...瞬く間に版を重ねました...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...瞬く間に母はそれをして蓋をはね開けた...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...初版千五百部が瞬く間に売切れて五百部再版したことはちょっと目ざましいことであった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...文太郎が歸郷してから一月は瞬く間に經つた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...ビールが勢ひよく瓶から迸り出て瞬く間に一杯にならうとするので三藏はコップを引く...
高濱虚子 「俳諧師」
...「これは少し硬いよ」と顏をしかめられたが瞬く間に其一杯は食べてしまはれて...
高濱虚子 「俳諧師」
...「斯うすると少しは柔かくなりますてや」と言つて又二杯目を瞬く間に召上る...
高濱虚子 「俳諧師」
...街全体は瞬く間に...
林不忘 「安重根」
...驚くべき食慾をもって瞬く間にあらゆる葉を食い尽さないではおかない...
寺田寅彦 「蜂が団子をこしらえる話」
...諒闇(りょうあん)の黒布を瞬く間に全天に覆(おお)うたり...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...三の的も……瞬く間に打ち砕いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...噂では淀んだ河川から瞬く間に伝染病が田舎に広がったとか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...瞬く間に、地下鉄の危険区間が安全になった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「見えざる力」
...我々相互の理解が瞬く間になったことを...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...瞬く間に五十両の金を作って来たのには驚きました...
夢野久作 「近世快人伝」
便利!手書き漢字入力検索