...父は汽車ができると同時に半里ほど隔つた本庄驛の停車場の一番よい所に運送店を開きましたが、それも瞬く間に、多くの借金を殘して失敗して了ひました...
石川三四郎 「浪」
...竹山の眼には機敏な観察力が、瞬く間閃いた...
石川啄木 「病院の窓」
...瞬く間、窓の外が明るくなつたと思ふと、汽車は、トある森の中の小さい駅を通過(パツス)した...
石川啄木 「天鵞絨」
...瞬く間に死んでしまうという...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...おそらく瞬く間に...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...瞬く間に巨万の富を得て大豪族となった...
田中貢太郎 「柳毅伝」
...ぼんやり、リリーの食べかつ飲むのを眺めていると、彼女は瞬く間に、自分の分を平らげてしまい、「私は面倒なのはキライよ」と絶叫しながら、私のカレーまで飲みほすように食べてしまった...
田中英光 「野狐」
...三圓位グズ/\して居ると瞬く間だよ...
谷崎潤一郎 「The Affair of Two Watches」
...『來た! 來た! 木曾の衆が來た!』その叫聲はそれからそれへと瞬く間に傳はつて行つた...
田山花袋 「歸國」
...花火線香のやうにチラと燃えてそして瞬く間に消えて行つて了ふ...
田山録弥 「不思議な鳥」
...驚くべき食慾をもって瞬く間にあらゆる葉を食い尽さないではおかない...
寺田寅彦 「蜂が団子をこしらえる話」
...ほとんど瞬く間に江戸へ飛んでしまうのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...瞬く間に彼は一団の先頭に立った――彼の有利な立場を考え合わせれば大した偉業ではないが...
A. ビアス A.Bierce The Creative CAT 訳 「チカモーガ」
...軍医殿を軍医殿を!」瞬く間に水...
ガールシン 二葉亭四迷訳 「四日間」
...噂では淀んだ河川から瞬く間に伝染病が田舎に広がったとか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「死の川」
...瞬く間に警察でも監獄でも焼打ちして...
牧逸馬 「双面獣」
...そして瞬く間に、無味無痛に充満した強力な睡魔(ねむけ)の下にわたしを圧しつぶしてしまう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...丁度昨日一昨日その長雨があがると同時にほんとに瞬く間に見まがうほどの紅葉の山と染まったのを見て驚いたのであった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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