...父は汽車ができると同時に半里ほど隔つた本庄驛の停車場の一番よい所に運送店を開きましたが、それも瞬く間に、多くの借金を殘して失敗して了ひました...
石川三四郎 「浪」
...瞬く間にしてやられて...
泉鏡花 「悪獣篇」
...僧都 (苦笑す)若様には、新夫人(にいおくさま)の、まだ、海にお馴(な)れなさらず、御到着の遅いばかり気になされて、老人が、ここに形を消せば、瞬く間ものう、お姿見の中の御馬の前に映りまする神通(じんずう)を、お忘れなされて、老寄に苦労などと、心外な御意を蒙りまするわ...
泉鏡花 「海神別荘」
...瞬く間に毀れ家と死骸の山になつて了つた...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...瞬く間に樹立の中へ姿を消してしまった...
スティーブンソン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「宝島」
...此鹽梅だと瞬く間に家中に擴がつてしまふかも知れぬといつて兄さんが大變心配なすつていろ/\藥を買つて來て撒いて見なすつたけれども全く駄目なんです...
高濱虚子 「續俳諧師」
...瞬く間に巨万の富を得て大豪族となった...
田中貢太郎 「柳毅伝」
...ぼんやり、リリーの食べかつ飲むのを眺めていると、彼女は瞬く間に、自分の分を平らげてしまい、「私は面倒なのはキライよ」と絶叫しながら、私のカレーまで飲みほすように食べてしまった...
田中英光 「野狐」
...花火線香のやうにチラと燃えてそして瞬く間に消えて行つて了ふ...
田山録弥 「不思議な鳥」
...事務所は瞬く間に閉じられてしまった...
ディッケンス Dickens 森田草平訳 「クリスマス・カロル」
...漕ぎぬけようとあせる釣舟の二艘(はい)三ばい瞬く間(ひま)に引包むかと見るが内に...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...それから例の早い足で瞬く間に甲信の国境まで来てしまい...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの相手の六人を瞬く間に斬ってしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...この火がちょうど稲妻のきらめきのように瞬く間に消えてなくなると...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...そして瞬く間に、無味無痛に充満した強力な睡魔(ねむけ)の下にわたしを圧しつぶしてしまう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...市役所へハキダメの物でも渡すように瞬く間に七十五万円を費消してしまった...
夢野久作 「近世快人伝」
...瞬く間に過ぎてしまって...
蘭郁二郎 「宇宙爆撃」
...瞬く間に財産の大半をば減(す)つてしまつたとかいふことで...
若山牧水 「古い村」
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