...三導びく人の温かきみ手にひかれて睦み合ふ我が三百の兄弟よ木枯ふけど雪ふれどきえぬ學びの燈の光を永久に守らまし...
石川啄木 「唱歌」
...終に歸り來らざる「理想」は法苑林の樹間に「愛」と相睦み語らふならむといふに在りて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...刹那三人の子供は光りのやうに其處にこぼれて睦み合ひ自分の過ぎて行くのを微笑して見て居る...
千家元麿 「自分は見た」
...「その雨その煙がまた互いに生あるもののごとく睦み合っている」と...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...夕立であっても秋雨であってもこの煙と雨とがたがいに生あるもののように睦み合う心持はありません...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...なごやかに睦み合ひ...
太宰治 「右大臣実朝」
...睦みの言句向ひ合ふ將に對して宣し曰ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...其歌は睦み合ふ友を力に濱千鳥荒き波風凌ぎ飛ぶらむといふのであつた...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...まどろむように横(よこた)わった草山のあちらこちらに落葉したのや黄葉しかけた灌木が小松の緑にまじってるのがちょうどいろいろの貴い毛皮をもった獣が自然に睦みあって草をくってるようにみえる...
中勘助 「島守」
......
中原中也 「在りし日の歌」
...馴れての睦みのあらざれば直次もいつしか引いれられて...
一葉 「暗夜」
...忘れ忘られて睦みけん愚かさ...
樋口一葉 「雪の日」
...この両人はさながら真(まこと)の兄弟の如く睦みあひ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...また松の枝が幹に輪生している有様は車座に坐りて睦み合う一家団欒(だんらん)の相とも観るべく...
牧野富太郎 「植物記」
...何ともいえない主従睦み合っているこの景色のめでたさ和やかさ...
正岡容 「小説 圓朝」
...私はありし日の江戸下町の生活をおもってひと長屋睦み合っている納まる御代の楽し艸(ぐさ)をいかばかり羨ましくおもい返したことだったろう...
正岡容 「我が圓朝研究」
...寝ては牀(しょう)を同じゅうして睦み...
吉川英治 「三国志」
...すると、一人はたちまちどこかへ走って行き、やがて素焼の酒瓶(さかがめ)をかかえて来て、「さあ、豊楽殿(ほうらくでん)の、おん酒宴(さかもり)としようぜ」と、さらに車座を、睦み合った...
吉川英治 「平の将門」
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